【犬の半身不随:MRI・CT検査】フレブルこち闘病記:シーズン2>パート2(通算シリーズ パート6)
本記事のご紹介(by ハピわん!)
前回、突然の半身不随状態に陥ったフレンチブルドッグのこち。
MRI検査が決定し、その結果もどうなるのでしょうか。
闘病記の続きとなります。
■4月14日 やはり動けないが、一瞬だけ。
こちは、前足が関節のところで折れ曲がった状態のナックリング状態のまま、伏せの姿勢のままで一日中寝たきりで過ごしている。
しかし、ほんの一瞬だけだが、前足が立ったような瞬間も見られた。
それに、相変わらず意識のほうはしっかりしているし、後ろ足に関してはぜんぜん動くようだ。
引き続き、おしっこは一日一回だけ大量にする(おむつの中へ)。
うんちも何日に一回かは、ぽろっと固いやつが少量出る。
食事は、継続してりんごとヨーグルトのみ。
■4月15日 前進している?
午前中の出来事。
こちがトイレのところに行き、微妙に何秒か立ちあがった。
おしっこがしたかったらしく、おむつを見てみたら、ちょうどおしっこが大量に出たところだった。
うまく立てないストレスなのか痛いのか、やはりよくわからないけど、こち本人の表情的には悲しげに鳴きながらの動作だった。
こちを留守番に残して出かけなくてはいけないときは、モゾモゾと動きが出てきて、そして、前足を一瞬だけ立てたりすぐ倒れたりしてを何度か繰り返し、一緒に行きたそうな感じが痛いほど伝わってきた。
このときの一連の状態を見るに、微妙にであるけれど、だんだんと動けるようにはなってきているのかな!?と思い始めた。
この日のそのあとは、特に大きな動きはなく、特に鳴くわけでもなく、
伏せたままじっと家族の動きを目で追っていたり、たまに後ろ足を動かして寝返りしたり(寝る位置を変えたり)、そんなぐらいの動き方だった。
食事のほうも状態は変わらずで、
すりおろしたりんごとプレーンヨーグルトは手の平から舐めながらバクバクと食べる。
■4月17日 大学病院でのMRI・CT検査
こちを連れてMRI検査のために大学病院へ行く日となった。
朝、まだ家を出る前でケージの中にいる時、今までと比べてよく動いた。
一瞬だけだが、立ったりもしたぐらいだった。
(それはこの後の病院に向かう車の中でも同じだった)
ふと、トイレトレーのところで悲しげに鳴く。
おむつをあけたら、おしっこがちょうど出終わった後だった。
感覚はあるようだ。
検査が控えているため、この日の朝は水もご飯も抜き、大学病院へ向かう。
そして、9時半に大学病院へ到着。
着いてから、1、2時間ぐらいの間で、診察・こちを預けての検査・診察結果が出る、という流れになっている。
診察では、上半身・前足の重症度は、3段階中で一番重いグレード3と診断された。
完全に麻痺しており、わざとナックリング状態にさせて前足を裏返しても、本人が気づいていないとのこと。
それと、後ろ足も若干麻痺が出ているとのこと。
結果、今回はMRIとCTの検査をどちらも実施することになった。MRIだけでは脊髄の異常しかわからないため、との理由。
そのまま、こちを大学病院へ預けて、一旦帰宅。
その間に、こちは麻酔で眠りながらMRI・CT検査を受けることになる。
そして、16時前には、病院から迎えに来るようにとの連絡があり、16時半ごろに引き取りにいった。
■4月17日 あまりにも辛すぎる告知
大学病院。
診察室へ呼ばれ、先生との会話が始まる。
まず、こち本人は無事に麻酔から目が覚めたとのこと。
MRI、CT検査の結果、頸椎ヘルニア(首のヘルニア)と診断された。
こちの状態、やはり非常に悪いとのこと。
そこでは張り詰めたような空気感になっており、
会話は続き、いわば「告知」が行われた。
医師から伝えられたのは、次のような内容だった。
いま脊髄の血が通ってないところがあり、このまま放っておくと、そこが壊死していく。
呼吸の神経もそこに近い部分なので、このまま麻痺していくとしたら、そのうち呼吸が止まる可能性もある。
放っておく時間が長くなるほど、その部分の中が固まっていくので手術しにくくなっていく。
どんなに長くても、手術するまで1ヶ月以内ぐらいにしたほうがいい。
手術について。
今回のこちは、重症度グレード3であり、手術で手をつけるところは喉元のとても難しい部分にあたる。
手術中に死亡するリスクが高い。
また、手術の後遺症で脱臼しやすくなる(その際に脊髄を傷つけることもある)。骨をずらして、中の圧迫部位を取り除くのと、骨を削っているので、もろくなる。
ドミノ現象みたいなもので、今回の手術が成功したとしても、手術した部分の前後に位置する部位の脊椎がヘルニアを引き起こしやすくなる(前後部位の負担が大きくなるため)。
費用は入院費とかも入れて、おおよそ40万~50万ぐらい。手術で、骨に入れ込む材料がチタンになるので、材料費だけでも10万ぐらいかかる。
今回の原因は犬種的な欠陥持病によるもので、単発的な衝撃ではないとの医師の見解。
この状態のまま、細々と生き続けることができるというのはあまり考えにくい。(少なくとも、その医師はそういったケースをほとんど見たことがない)。
グレード3という最も重症状態のため、内科的な療法で治るとは考えずらい。
以上の話が終わった。
その診察室には、向かい合って話している医師の他に、若い医師が二人後ろについていたが、本当にとても静寂な空間だった。
「告知」を受け、今後どうするかはその場では返事をせず、
そのままこちを自宅へ連れて帰り、とるべき選択を考えてみることにした。
駐車場の車に戻り、運転席に座る。
すぐには車を出せなかった。
車の助手席のシートにうつ伏せの体勢でじっとしているこちを見つめながら、とても深い悲しみが降りて来た。
こちはこの時まだ4歳。
「短い間になりつつある人生、こちに幸せな日々を送らせてあげれたんだろうか…?」
いろんなことが頭の中をグルグルまわり、しばらく身動きできなかった。