【ダイハードという異名を持つ頑固者!?スコティッシュ・テリア】

スコティッシュ・テリアの基本情報(性格・しつけ・病気など)

 
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スコティッシュ・テリア
[英記]:Scottish Terrier

    ◇基本データ
  • ・サイズ: 中型犬
  • ・体高:24cm~28cm
  • ・体重:8kg~12kg

  • ◇起源・歴史・沿革・系統:
  • スコティッシュ・テリアの起源については、かなり大昔にさかのぼることから、 実は現在もはっきりとはしていません。
    原産国については、イギリスや、その名の通りのスコットランドであるといった説が有力とされています。

    18世紀頃では、ネズミなどの害獣駆除に活躍していました。
    19世紀前半までは、スコティッシュ・テリアと呼ばれる犬種が、様々なものが混在していました。

    そのため、1870年代にスコティッシュ・テリアの名で呼ぶ犬種が完全に制定され、 その制定された犬種が現在に至っています。
    その直後、アメリカに渡り、20世紀にはルーズベルト大統領が愛好したことで非常に有名となりました。
    ルーズベルト大統領の愛犬「ファラ」は、彼の墓の前に埋蔵されています。

    尚、愛好家らの間では『スコッティ』という愛称で呼ばれているのと、 19世紀にダンバートン伯ジョージという貴族からは『ダイハード(=最後まで折れることのない頑固者)」という、 あだ名まで付けられています。


    ◇こんなスタイルで犬を飼いたい方・こんな状況の方との相性Good!!
    ・元気一杯のやんちゃな犬種が好き
    ・テリア種の持つ気難しさを理解した上で飼える
    ・毎日の散歩以外にも一緒に色々と遊んであげられる
    ・他の犬と同居するのは特に予定していない
スコティッシュ・テリアのメイン写真 スコティッシュ・テリアの特徴評価グラフ

しつけのしやすさ

スコティッシュ・テリアは、その外見から「小さくて愛らしい愛玩犬」という印象を持たれることが多いのですが、実際には非常に独立心が強く、頑固な一面を併せ持つテリアらしい性格の持ち主です。したがって、しつけのしやすさという観点で見ると、初心者が扱いやすい犬種とは言い切れません。とはいえ、不可能というわけではなく、この犬の特性を理解し、適切な方法で向き合えば、十分に従順で家庭に適したパートナーになってくれます。

まず大切なのは、スコティッシュ・テリアが「自分の意思をしっかり持ち、納得しなければ動かない」タイプの犬であることを理解することです。ラブラドール・レトリーバーやゴールデン・レトリーバーのように、人を喜ばせたい一心で動く犬種とは異なり、スコティッシュ・テリアは指示の意味を理解し、それが自分にとって納得できるものであれば従います。つまり、訓練をする際には「なぜそれを行う必要があるのか」を犬に理解させる工夫が必要となります。

しつけを進める上で有効なのが、短い時間で区切って楽しく行うことです。長時間同じ訓練を繰り返すと、スコティッシュ・テリアはすぐに退屈して集中力を失ってしまいます。5分から10分程度の短いセッションを1日数回に分けて行う方が、効率もよく犬にとっても負担になりません。また、トレーニングの際には一貫性が非常に重要です。家族の誰かがルールを守らせ、他の人が許してしまうと、犬は混乱し「自分の好きなように行動しても良い」と解釈してしまいます。その結果、頑固さが強調されてしまうことがあります。

褒めるタイミングも大切です。スコティッシュ・テリアはプライドが高いため、叱責や強制によるしつけは逆効果になります。叱られると反発心を抱き、ますます言うことを聞かなくなる場合が多いのです。そのため、できる限りポジティブな強化法、つまり「できたらすぐに褒める」「ご褒美を与える」という手法が適しています。特におやつを用いたトレーニングは効果的ですが、与えすぎると肥満につながるため、量をコントロールすることも忘れてはいけません。

また、スコティッシュ・テリアは警戒心が強く、自立心も旺盛なため、社会化のトレーニングも欠かせません。子犬の頃からさまざまな人、犬、環境に触れさせて、柔軟な対応力を養ってあげる必要があります。社会化が不十分だと、来客や他の犬に対して必要以上に吠えたり、攻撃的な態度を取ったりすることもあります。社会化訓練は「しつけの一部」であると認識して、生活の中で計画的に取り入れていくことが望ましいでしょう。

一方で、スコティッシュ・テリアは学習能力自体は高く、頭の回転が速い犬種でもあります。飼い主が一貫した態度を示し、犬にとって魅力的なご褒美を用意してあげれば、新しいコマンドや芸を覚えることも比較的スムーズです。実際に服従訓練やアジリティといったドッグスポーツでも活躍できる素質を持っています。ただし、必ずしも「人に従うことが楽しい」とは感じないため、いかにモチベーションを維持させるかが成功の鍵となります。

まとめると、スコティッシュ・テリアのしつけは「容易ではないが、正しい方法を取れば十分に可能」という位置づけです。必要なのは忍耐強さと一貫性、そして犬のプライドを尊重する姿勢です。命令を押し付けるのではなく、犬に考えさせ、納得させ、達成感を与えることによって、スコティッシュ・テリアは飼い主に信頼を寄せるようになります。その信頼関係が築かれれば、家庭犬として理想的な存在に成長してくれるでしょう。

気性の穏やかさ・性格

スコティッシュ・テリアは、コンパクトな体と特徴的な長い口ひげ、凛々しい佇まいから「気品のある小型犬」として知られています。しかし、その性格は見た目の優雅さとは裏腹に、非常に独立心が強く、頑固で、自分の意思を貫こうとする傾向が色濃く表れています。気性の穏やかさという点では、一言で「穏やか」と表現するのは難しく、むしろ「冷静だが頑固」「用心深く、時に大胆」といった複雑な個性を持っています。

まず、スコティッシュ・テリアは典型的なテリア気質を備えています。テリア種に共通する特徴として、闘争心や警戒心が強く、自分の縄張りを守る意識が高いことが挙げられます。そのため、初対面の人や犬に対しては距離を置き、すぐに心を許さないことが多いです。これは「攻撃的」とは異なり、あくまで「警戒心が強い」ことの表れであり、飼い主にとっては「番犬として頼もしい」という側面にもなります。実際、家に知らない人が訪れると、低い声で吠えて警告を発することが多く、その姿は小柄ながら非常に勇敢に見えるものです。

しかし、一度信頼関係を築いた相手には、とても忠実で愛情深い性格を見せます。家族に対しては深い愛着を持ち、とりわけ飼い主に対して強い絆を形成します。そのため、外ではクールで距離を置く性格に見えても、家庭内では甘えん坊で、人のそばに寄り添う時間を好む個体も多いのです。このギャップこそが、スコティッシュ・テリアの魅力の一つと言えるでしょう。

また、スコティッシュ・テリアの性格は「落ち着いている」と「頑固」の両面を持ち合わせています。子犬の頃は活発で遊び好きですが、成犬になると必要以上にはしゃぐことは少なく、家庭内では比較的落ち着いた振る舞いを見せます。ソファに静かに座って飼い主を見守る姿や、物音に耳を澄ませる様子は、他の小型犬に見られるような「常に元気で走り回る」タイプとは対照的です。しかしその一方で、一度自分が「こうする」と決めたことには強いこだわりを見せ、指示に従うよりも自分の意思を優先する場面がしばしば見られます。この性質は「頑固」と評されることも多いのですが、視点を変えれば「自立心が強く、精神的に安定している」と捉えることもできます。

家庭内での気性は基本的に安定しており、突然攻撃的になることは少ない犬種です。ただし、挑発やしつこい干渉には我慢強く対応できるタイプではありません。他の犬に繰り返しちょっかいを出されたり、子どもに強く抱きつかれたりすると、不快感をあらわにすることがあります。そのため、「穏やかさ」を維持するためには周囲の環境を整え、犬にとって過度なストレスがかからないよう配慮することが大切です。

もう一つの特徴として、「用心深さからくる冷静な判断力」が挙げられます。スコティッシュ・テリアはむやみに騒いだり、無意味に吠えたりする犬ではありません。状況をよく観察し、必要があると判断したときにだけ行動します。たとえば、来客があってもすぐに飛びかかることはなく、まず距離を取りながら相手の様子を伺い、その後に反応を決めることが多いです。この慎重さは、他の小型犬と比べても目立つ特徴です。裏を返せば「初対面ではよそよそしい」とも言えますが、それは「冷静で頭の良い犬」という評価にもつながります。

まとめると、スコティッシュ・テリアの性格は「愛情深い家庭犬でありながら、独立心旺盛で頑固」という二面性にあります。気性は決して荒いわけではなく、むしろ冷静で落ち着いていますが、甘えや従順さだけを求めるとギャップを感じるでしょう。そのため、この犬種に向いている飼い主は「犬の自立心を尊重できる人」「一緒に生活するパートナーとして対等に向き合える人」と言えます。信頼関係を築けば、スコティッシュ・テリアはそのクールな外面の奥に秘めた深い愛情を惜しみなく注いでくれる、かけがえのない存在となります。

病気・けがへの強さ・寿命

スコティッシュ・テリアは、コンパクトで筋肉質な体格を持ち、外見からも頑健な印象を与える犬種です。実際に全体的な体質は比較的丈夫で、寒さや悪天候にもある程度耐えられる強さを備えています。しかしながら、遺伝的にかかりやすい病気がいくつか存在し、また体格の特徴から特有のリスクもあります。そのため、スコティッシュ・テリアの健康を守るには、犬種特有の疾患を理解し、日常的に予防と早期発見を心がけることが不可欠です。

平均寿命は12~15年程度とされており、小型犬としては標準的からやや長めです。適切な環境とケアがあれば、高齢になっても元気に過ごせる犬種です。では、具体的に注意すべき病気やケガの傾向を見ていきましょう。

まず、スコティッシュ・テリアで特に知られているのが「スコティッシュ・テリア・クランプ症候群」と呼ばれる神経疾患です。これは、この犬種特有に見られるもので、突然体が硬直し、動きがぎこちなくなる発作を起こすことがあります。通常は数分以内に症状が収まりますが、見慣れない飼い主にとっては驚きや不安を感じる現象です。この症状は命に直結するものではありませんが、繰り返す場合には生活の質に影響を及ぼす可能性があるため、獣医師の診断を受けることが推奨されます。

また、スコティッシュ・テリアは悪性腫瘍の発症率が比較的高いことでも知られています。特に膀胱癌やリンパ腫のリスクが高いと報告されています。これは遺伝的要因が強く関与していると考えられており、定期的な健康診断での尿検査や血液検査が予防・早期発見につながります。腫瘍性疾患は進行すると治療が難しいため、健康そうに見えるときでも年齢に応じたチェックを怠らないことが重要です。

骨格面においては、短い四肢とがっしりした体格が特徴的ですが、それゆえに関節や椎間板への負担が大きく、椎間板ヘルニアや関節疾患を発症することがあります。特に階段の昇降や過度のジャンプは腰に負担をかけるため、家具の上り下りにはステップを用意するなどの工夫が望ましいです。加齢に伴って関節炎が進行することもあるため、体重管理を徹底することが健康寿命を延ばすうえで大きなポイントとなります。

皮膚疾患にも注意が必要です。スコティッシュ・テリアはダブルコートで密な被毛を持っており、通気性が悪い環境や不適切なシャンプー管理をすると、皮膚炎やアレルギーを発症することがあります。また、皮膚の色素沈着やかゆみを伴う「アトピー性皮膚炎」が見られることもあります。定期的なブラッシングで皮膚の状態をチェックし、異常があれば早めに対処することが重要です。

さらに、スコティッシュ・テリアは消化器系のトラブルを抱えやすい個体もいます。下痢や嘔吐を繰り返すようであれば、フードの種類や成分を見直す必要があるでしょう。一般的に高品質で消化吸収に優れたフードを選ぶことで改善する場合が多く、添加物の少ないナチュラルな食事が勧められることが多いです。

全体的に、スコティッシュ・テリアは「外見は頑健だが、内面的には遺伝性疾患のリスクを抱えている犬種」と言えます。そのため、飼育する際には定期健診を習慣化し、加齢とともに増える疾患リスクに備えていく姿勢が大切です。獣医師との良好な関係を築き、年齢ごとに適した健康チェックを行うことが、長生きの秘訣と言えるでしょう。

まとめると、スコティッシュ・テリアの寿命は比較的長く、適切なケアを受ければ健康で活動的な生活を送ることができます。ただし、遺伝性の神経疾患や腫瘍性疾患、関節や皮膚の問題には注意が必要です。予防と早期発見を心がけ、体に無理のない生活環境を整えることで、愛犬と充実した時間を長く共有できる可能性が高まります。

他の犬や子どもとの同居しやすさ

スコティッシュ・テリアは、その独特な気質とテリア特有の強い自立心を持ち合わせているため、他の犬や子どもとの同居に関しては慎重な対応が求められる犬種です。一見すると小型で可愛らしい外見から「誰とでも仲良くできる犬」と思われがちですが、実際には気難しい一面があり、無条件でフレンドリーに振る舞うタイプではありません。ここでは、同居に際しての注意点や工夫について詳しく見ていきましょう。

まず、他の犬との関係についてです。スコティッシュ・テリアは縄張り意識が強く、自分のスペースやおもちゃ、食べ物を守ろうとする傾向が顕著です。特に同じ性別の犬に対してはライバル意識を持ちやすく、対立が起こる可能性があります。これはテリア全般に共通する性格傾向であり、スコティッシュ・テリアも例外ではありません。そのため、多頭飼いを考える場合には、子犬の頃から社会化を徹底し、他の犬と共存する経験を積ませることが大切です。成犬になってから突然新しい犬を迎えると、受け入れが難しい場合があるため、慎重な導入が必要となります。

ただし、必ずしも他犬と暮らせないわけではありません。性格が穏やかな犬種や、相性の良い個体とであれば、安定した関係を築けることもあります。相手の犬が過剰にちょっかいを出したりせず、スコティッシュ・テリアの「一人の時間」を尊重できるようなタイプであれば、比較的良好な同居が可能です。また、先住犬としてスコティッシュ・テリアを迎える場合は、新入り犬を落ち着いた環境で少しずつ慣らすことがポイントです。急な変化を与えるとストレスや争いの原因になりやすいため、時間をかけた慎重な対応が不可欠です。

次に、子どもとの関係についてです。スコティッシュ・テリアは家族に対して深い愛情を示しますが、同時にプライドが高く、しつこくされることを嫌います。幼い子どもが無邪気に抱きついたり、体を強く掴んだりすると、不快感をあらわにすることがあります。基本的に我慢強さはあまりないため、乱暴に扱われると噛むなどの防衛行動に出る可能性も否定できません。そのため、小さな子どもがいる家庭では「犬への接し方」をしっかりと教育する必要があります。子どもに「犬の嫌がることをしない」「寝ている時に無理に触らない」といった基本ルールを教え、双方にとって安心できる環境を整えることが重要です。

一方で、子どもがある程度成長し、落ち着いた接し方ができる年齢であれば、スコティッシュ・テリアは良きパートナーとなり得ます。知的好奇心が旺盛な犬種なので、子どもがトレーニングや遊びを一緒に楽しむことで、犬と子どもの双方にとって有益な関係が築けます。特に短時間のゲーム性のあるトレーニングは、犬にとっても楽しく、子どもの学びにもなります。

また、スコティッシュ・テリアは「一人の時間」を大切にする傾向があるため、常にベタベタと触られるよりも、適度な距離感を保ちながら信頼関係を築ける家庭の方が向いています。子どもにとっては「犬はぬいぐるみではなく、生きたパートナーである」ということを学ぶ良い機会になるでしょう。

総じて言えば、スコティッシュ・テリアの他犬や子どもとの同居は、相性や環境づくり次第でうまくいく場合もあれば、難しい場合もあるという、両面を持っています。フレンドリーさを期待するのではなく、「この犬は独立心が強く、自分のルールを持っている」という前提を理解し、その特性を尊重することが成功の鍵となります。無理に距離を縮めるのではなく、犬自身が安心できるペースで関係を築く姿勢が必要です。

まとめると、スコティッシュ・テリアは多頭飼いや子どもとの同居が「不可能」ではないものの、慎重な配慮と理解が求められる犬種です。相手の犬や子どもの性格、家庭の環境を見極め、犬の自立心を尊重した生活を整えることで、穏やかで良好な共生が可能となります。

運動量の多さ

スコティッシュ・テリアは小型犬でありながら、筋肉質でがっしりとした体格を持ち、非常にエネルギッシュな犬種です。ただし、その運動要求量は「常に走り回りたいタイプ」ではなく、メリハリのある活動を好む傾向があります。一般的な小型犬と比較すると中程度の運動量を必要とし、日常的に散歩や遊びを取り入れることが欠かせません。

まず、スコティッシュ・テリアは本来「作業犬」であり、スコットランドでアナグマやキツネなどの小動物を狩るために活躍してきた歴史を持ちます。そのため、体は小さくても持久力や瞬発力に優れ、地面を掘る、本能的に追跡するなどの行動が強く残っています。この背景を考えると、ただ庭や室内で放っておくだけでは運動欲求が満たされず、ストレス行動(無駄吠えや家具を噛むなど)につながる可能性があります。

散歩は1日2回、各30分程度が理想的です。ただし、同じ道を歩くだけでは刺激が不足するため、ルートを変えたり、におい嗅ぎの時間をしっかり確保することが重要です。スコティッシュ・テリアは探索欲求が非常に強いため、匂いをたどる行動は心身の満足につながります。速足で歩くよりも「匂い嗅ぎをさせながらゆっくり歩く」方が、精神的な充実感を与えられるのです。

加えて、遊びの時間も欠かせません。特に「持ってこい」遊びや引っ張りっこなど、飼い主と一緒に取り組める短時間のゲームが向いています。集中力が長続きする犬種ではないため、短いけれど充実した遊びを1日に数回取り入れると良いでしょう。また、テリアらしく穴掘りの本能が強いので、庭や砂場で掘らせてあげると大きな満足感を得られます。家具や庭の芝を掘られて困る場合には、「掘ってよい場所」を用意して本能を発散させる工夫が有効です。

スコティッシュ・テリアの運動量について誤解されやすいのは、「小型犬だから室内だけで十分運動できる」と考えられてしまうことです。確かに体のサイズは小さいですが、テリア特有の活動的な性質を満たすには外での運動が必要不可欠です。室内で遊ぶだけでは体力を余らせてしまい、吠えや破壊行動といった問題行動につながるリスクが高まります。特に若い成犬の時期は、しっかりと体を動かす機会を与えないと欲求不満になりやすいので注意が必要です。

一方で、スコティッシュ・テリアは「常に動き回っていなければ落ち着かない」というタイプではなく、運動と休息のバランスを上手に取れる犬種でもあります。散歩や遊びで十分にエネルギーを発散すると、家では比較的落ち着いて過ごすことが多く、ソファや飼い主の足元で静かにリラックスする姿もよく見られます。この点は、小型犬を飼いたいけれど過度な活動性には不安がある家庭にとって、魅力的な特徴といえるでしょう。

また、知的刺激を伴う運動も効果的です。単純に体を動かすだけでなく、頭を使う遊びやトレーニングは、スコティッシュ・テリアにとって良いエネルギー発散になります。パズル型のおもちゃや知育玩具を使うと、集中して取り組む時間が生まれ、精神的な満足度が高まります。運動量の確保と合わせて、こうした「頭を使う活動」を取り入れることで、よりバランスの良い生活が送れるでしょう。

運動において注意すべき点としては、関節や腰への負担です。短足でがっしりした体型のため、無理なジャンプや階段の昇降は避けた方が良いです。また、夏場は被毛が厚いため暑さに弱く、熱中症のリスクが高まります。涼しい時間帯を選んで散歩することや、散歩後の水分補給を徹底することが欠かせません。

まとめると、スコティッシュ・テリアの運動量は「中程度で、質を重視する必要がある」と言えます。毎日の散歩と遊びに加え、本能を満たす活動や知的刺激を取り入れることで、心身ともに満足した生活を送らせることができます。運動不足は行動上の問題を引き起こす要因となるため、飼い主が積極的に関わり、計画的に運動の機会を与えることが大切です。

体の特徴・被毛・毛色の特徴

スコティッシュ・テリアは、その独特なシルエットと気品ある外見から「スコットランドの小さな騎士」と呼ばれることもあります。他の小型犬とは一線を画す特徴を持ち、その姿は一度見たら忘れられないほど個性的です。外見の魅力はもちろん、被毛の手入れや毛色のバリエーションには、飼い主が理解しておくべき点も多く含まれています。

まず体の特徴について見ていきましょう。スコティッシュ・テリアは体高25〜28cm前後、体重8〜10kg程度と、小型犬の中ではやや重厚感のある体格をしています。胴体は比較的長めで、足は短く力強いのが特徴です。この短足・長胴の体型は、もともとアナグマやキツネなどの巣穴に入り込んで狩りをしていた歴史に由来しています。低い体高としっかりした骨格は、地中での作業に適応したものなのです。そのため小柄に見えても骨太で筋肉質、実際に抱き上げると想像以上にずっしりとした印象を受けます。

頭部は長く、口先が力強く発達しており、厚い口ひげと眉毛が独特の表情を形作ります。これが「哲学者のような風貌」と評される所以であり、威厳とユーモラスさを同時に感じさせます。耳は小さくピンと立ち、三角形のシルエットが頭部の印象を引き締めています。尾は中くらいの長さでまっすぐ立ち、歩くときには堂々と掲げている姿が見られます。

次に被毛についてです。スコティッシュ・テリアはダブルコートを持つ犬種で、上毛(トップコート)は硬く wiry(針金状)で、下毛(アンダーコート)は柔らかく密生しています。この二層構造の被毛は、スコットランドの寒冷で湿った気候に適応するためのものです。上毛は水をはじき、泥や雪から体を守り、下毛は保温性を高めています。そのため、悪天候でも活動できる実用性を備えています。

ただし、この被毛は定期的な手入れが欠かせません。特にスコティッシュ・テリアは「プラッキング」と呼ばれる手入れが推奨されます。これは硬い上毛を抜き、新しい毛の生え変わりを促すグルーミング方法で、ショードッグとしては必須のケアです。家庭犬として飼う場合は、プラッキングではなくクリッピング(バリカンで短く整える)を選ぶ飼い主もいますが、その場合、被毛の質感や色味が変わりやすいことを理解しておく必要があります。どちらの方法を取るにせよ、定期的なトリミングが不可欠であり、少なくとも月1回程度のケアが望ましいとされています。

日常的な手入れとしては、週に数回のブラッシングが必要です。被毛が絡まりやすいため、放置すると毛玉ができて皮膚トラブルの原因になります。また、厚い被毛のため通気性が悪く、皮膚炎や湿疹が起こることもあります。ブラッシングは抜け毛を取り除くだけでなく、皮膚の状態を確認する意味でも大切です。

毛色については、ブラックが最も一般的で、スコティッシュ・テリアの代表的なカラーとされています。深い黒色の被毛は引き締まった印象を与え、その気品ある雰囲気を際立たせます。次に多いのはウィートン(小麦色)で、クリームから淡い金色まで幅広いバリエーションがあります。さらに、ブリンドル(黒と茶色の混ざった縞模様)も認められた毛色です。ブリンドルの場合は光の加減や毛の流れによって色の見え方が変わるため、一頭ごとに個性が強く出ます。いずれの毛色も、しっかりした被毛の質感と相まって、他犬種にはない存在感を放ちます。

毛色によって性格が変わることは基本的にありませんが、ブラックの個体は精悍な印象、ウィートンは柔らかで明るい印象を与えるため、飼い主の好みで選ばれることが多いです。ブリンドルは個体ごとの模様がユニークなため、個性を重視する人に人気があります。

まとめると、スコティッシュ・テリアは「小型ながら堂々とした体格」「独特な顔立ちを強調する被毛」「多様な毛色の魅力」を兼ね備えた犬種です。ただし、その美しい外見を維持するには定期的なトリミングやブラッシングが不可欠であり、飼い主の手間と工夫が求められます。しっかりと手入れをしてあげれば、スコティッシュ・テリアはまるで貴族のような風格を保ちつつ、日常生活でも健やかに過ごすことができるでしょう。

里親・ブリーダー・値段

スコティッシュ・テリアは独特な風貌とテリア特有の気質から、世界的に根強い人気を持つ犬種です。しかし、日本国内においては飼育頭数が比較的少なく、ペットショップで頻繁に見かける犬種ではありません。そのため、入手を希望する場合には「信頼できるブリーダーから迎える」「里親制度を利用する」という二つの選択肢を考えることが一般的です。

まず、ブリーダーから迎える場合についてです。スコティッシュ・テリアは、見た目の可愛らしさ以上に気質に特徴がある犬種であるため、しっかりと繁殖方針を持ち、健康面や性格面に配慮しているブリーダーを選ぶことが極めて重要です。中には「人気があるから」と無理な繁殖を行う業者も存在しますが、そのようなところから迎えると、遺伝性疾患や性格の偏りに悩まされる可能性が高くなります。信頼できるブリーダーは、子犬の健康診断やワクチン接種歴を明示し、両親犬の性格や遺伝病の有無についても正直に説明してくれるはずです。また、見学を歓迎し、飼い主候補との相性を確認する時間を大切にする点も、良質なブリーダーの条件と言えるでしょう。

価格帯については、国内のブリーダーから子犬を迎える場合、20万〜40万円程度が相場とされています。毛色や血統、性別によって金額は変動します。特にショードッグ向けの血統や希少な毛色(ウィートンや美しいブリンドル模様など)は高額になる傾向があります。また、海外から輸入する場合は輸送費や検疫費用が加算され、さらに高額になる可能性もあります。初期費用としては子犬の購入価格に加え、ワクチン接種、マイクロチップ、ペット保険の加入などを含めて50万円前後を見積もっておくと安心です。

一方で、里親制度を利用して迎えるという選択肢もあります。スコティッシュ・テリアは日本での飼育数が少ないため、保護犬として出回るケースは珍しいですが、全くないわけではありません。特にブリーダーの繁殖引退犬や、飼育放棄された個体が保護団体を通じて新しい飼い主を探していることがあります。里親として迎える場合、譲渡費用はワクチン接種や避妊・去勢手術費用の一部を負担する形で数万円程度が必要になります。ブリーダーから迎えるより経済的負担は軽く済みますが、里親募集されている犬はすでに成犬であることが多く、性格や習慣がある程度固定されている点を考慮する必要があります。その分、穏やかで落ち着いた性格の個体を迎えられる利点もあります。

また、スコティッシュ・テリアは犬種としての特性が強く出やすいため、迎え入れる前にその気質を理解し、自分のライフスタイルと合致しているかをしっかり確認することが重要です。独立心が強く頑固な面を持つため、初心者が「可愛いから」とだけで飼い始めると、しつけや接し方に困難を感じるケースもあります。ブリーダーや保護団体の担当者に率直に相談し、自分に合った個体を紹介してもらうのが良いでしょう。

さらに、迎え入れ後の維持費用についても考えておく必要があります。スコティッシュ・テリアは定期的なトリミングが欠かせず、月1回程度のプロによるケアを受けると年間で数万円以上の費用がかかります。医療面でも、遺伝性疾患のリスクに備えて定期的な健康診断を受けることが望ましいため、ペット保険の加入を検討する飼い主も多いです。

まとめると、スコティッシュ・テリアを迎える方法としては「ブリーダーから子犬を迎える」か「里親として成犬を迎える」かの二択があり、それぞれにメリットと注意点があります。ブリーダーから迎える場合は健康で血統のしっかりした子犬を得やすい反面、価格が高くなる傾向があります。里親から迎える場合は経済的負担は軽いですが、性格や生活習慣に合わせた配慮が必要です。いずれにしても、犬種特性をよく理解し、信頼できる相手から迎えることが、飼い主とスコティッシュ・テリア双方にとって幸せな暮らしを築く第一歩となるでしょう。

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