ミニチュア・ピンシャー(ミニピン)は、原産国はドイツになりますが、その起源は、はっきりわかっていません。
一説では、もともとはドイツや北ヨーロッパエリアを中心に飼われていたジャーマン・ピンシャーをベースとして、 ダックス・フンド、イタリアン・グレーハウンドといった犬種を交配して、 今の形になったとか、ネズミなどの小型の害獣を駆除するための役割で飼われていたとか言われています。
ちなみに、その外見上の特徴からドーベルマンの親戚かのように言われることがありますが、 犬種系統としては関係ないというのが実状です。ドーベルマン・ピンシャーとも別の犬種になります。
犬種の名前『ミニチュア・ピンシャー』は、1972年に制定されました。
ピンシャーはドイツ語で、テリアを指す言葉です。そのドイツ国内では、 『レー・ピンシャー』と呼ばれますが、『レー』はドイツにいる小型の赤い鹿の一種の名前で、 その鹿に似ていることに由来します。
※『ミニピン』という略称も持っています
ミニチュア・ピンシャーは、その小さな体からは想像できないほどのエネルギーと知性を持ち合わせた犬種です。もともとドイツで害獣駆除犬として活躍してきた背景を持つため、強い独立心と警戒心が備わっており、状況判断を自ら下す傾向が強い犬でもあります。このため、飼い主の指示をそのまま受け入れるより、自分で納得して行動する面が目立つことが多く、しつけに関しては一筋縄ではいかない場面も少なくありません。
しつけのしやすさという観点で考えると、ミニチュア・ピンシャーは「初心者向けではないが、根気強く一貫性を持った対応ができれば非常に優秀なパートナーになり得る」犬種といえます。彼らは賢く学習能力が高いため、適切な方法で接すれば習得のスピードは早いのですが、反面、甘やかしや曖昧な態度を見せると、すぐに主従関係が逆転してしまうことがあります。自分がリーダーだと勘違いしてしまうと、命令を無視したり、自己判断で行動してしまう傾向が強まり、問題行動へと発展することもあります。
具体的なしつけのコツとしては、まず「一貫性」と「ルールの明確化」が欠かせません。例えば、ソファに乗って良いか悪いか、散歩のときに引っ張ってはいけないかどうか、といったルールを家族全員で統一することが重要です。ルールが揺らぐと、ミニピンはすぐにその隙を突いて「今日は許される」と学習してしまい、再び修正するのが難しくなります。また、叱るよりも褒めて伸ばす方法が有効です。ご褒美としておやつを使うのも効果的ですが、この犬種は非常に活発なため、食べ物よりも「遊び」や「褒め言葉」を報酬とするほうが効果を発揮することも多くあります。
さらに注意すべき点は、吠え癖と噛み癖の予防です。警戒心が強いため、不審な物音や見知らぬ人に対して吠える傾向があります。これを放置すると過剰に吠えるようになり、近隣トラブルの原因になりかねません。子犬のころから「吠える必要がない状況」を学ばせ、落ち着いているときにしっかり褒めることが大切です。また、好奇心が旺盛で口を使って物を確かめようとする習性があるため、噛んでもよいおもちゃを与えつつ、人の手や家具に噛むことはしてはいけないと根気よく教える必要があります。
しつけを成功させるためには、精神的な刺激を十分に与えることも欠かせません。単に体を動かすだけでなく、頭を使う遊び、例えばトリックの練習や知育玩具を活用することが効果的です。退屈するとイタズラを始めることが多いため、エネルギーと知性を発散できる機会を提供することが、良い行動を引き出す基盤となります。
総じて、ミニチュア・ピンシャーのしつけは簡単ではないものの、正しい方向性を持って粘り強く続けることで、非常に忠実で賢く、メリハリのある関係を築くことができます。しつけに時間をかけた分だけ成果がはっきりと現れる犬種であり、信頼関係を築けたときの満足感は格別です。初めて犬を飼う方にはやや難しい相手ですが、犬としっかり向き合いたい飼い主にとっては、挑戦しがいのある魅力的なパートナーといえるでしょう。
ミニチュア・ピンシャーは、その精悍な見た目や「小さなドーベルマン」と呼ばれる印象から、凛々しく冷静な性格を想像されがちですが、実際には非常にエネルギッシュで陽気な性格を持つ犬です。もともとネズミ捕りなどの小動物駆除を担ってきた背景があるため、警戒心や自立心が強く、自分の判断で行動しようとする傾向が色濃く残っています。性格を一言でまとめるなら「小さな体に大きな自信を抱く、勇敢で活発な犬」といえるでしょう。
穏やかさという観点から見ると、ミニチュア・ピンシャーは基本的に落ち着きよりも行動的な側面が目立つ犬種です。静かに寄り添うことよりも、常に刺激や活動を求めることが多く、じっとしていることが苦手です。特に若齢期は好奇心が旺盛で、目に入るものに対して敏感に反応し、遊びや探索に夢中になることが多いでしょう。そのため「穏やかにくつろいでいる時間が多い犬を望む」人には少々向かないかもしれません。
しかし一方で、彼らはとても人懐っこく、飼い主への愛情が強い犬でもあります。自立心は強いものの、家族の存在を非常に大切にし、飼い主の後をついて回ったり、常に一緒に行動したがる様子を見せることも珍しくありません。この「甘え」と「独立心」のバランスが独特で、普段は勇敢で堂々としていても、家族に対しては子犬のように無邪気な一面を見せることがあります。
また、ミニチュア・ピンシャーは非常に警戒心が強いため、見知らぬ人や突然の物音に敏感に反応し、吠えたり距離を取ったりすることがあります。これは先祖から受け継いだ番犬的な資質の表れであり、家庭犬としては心強い側面でもありますが、過剰になると吠え癖につながりやすい性格的特徴でもあります。ただし、社交性を幼少期から育むことで、この警戒心は適度な防御本能として働き、必要以上に攻撃的になることは防げます。
勇敢さという点では、ミニチュア・ピンシャーの性格は際立っています。小型犬でありながら、大型犬に対しても物怖じせず立ち向かうことがあるほどで、その強気な態度が魅力のひとつでもあります。これを「気が強い」と感じる飼い主も多いですが、裏を返せば自己肯定感が非常に強く、堂々とした性格を持つ犬種といえます。ただしこの性質が強く出すぎると、家庭内で主導権を握ろうとしたり、他の犬との衝突を招く可能性もあるため、しつけや社会化が重要になります。
性格のもうひとつの特徴は、非常に遊び好きで好奇心が旺盛な点です。小さな体を生かして部屋の隅々まで探索したり、高い場所にジャンプして上がるのが得意で、アクティブな生活を送る人にとってはとても楽しいパートナーになります。頭の回転が速く、学習意欲も高いため、トリックやドッグスポーツにも積極的に挑戦できる性格です。こうした活動の中でエネルギーをうまく発散させれば、家庭内では比較的落ち着いた行動を取れるようになります。
まとめると、ミニチュア・ピンシャーは「穏やかに寄り添うタイプ」ではなく「活発で自信に満ちた冒険好きの性格」を持つ犬です。勇敢で愛情深く、家族に対しては非常に忠実で甘えん坊な一面を見せる一方、警戒心や独立心の強さから気難しい印象を与えることもあります。この個性を理解し、十分な運動や精神的な刺激を与えることで、彼らの性格は良い方向に発揮され、明るく頼もしい家庭犬として育っていきます。
ミニチュア・ピンシャーは、小型犬の中でも筋肉質で引き締まった体を持ち、非常に活発で運動能力の高い犬種です。そのため体格的には丈夫に見えますが、実際にはいくつかの遺伝的な病気や怪我に注意が必要です。寿命はおおむね12〜16年とされており、小型犬らしく比較的長寿の傾向を持っています。しっかりと健康管理を行えば、シニア期まで元気に過ごすことができる犬種といえるでしょう。
まず、ミニチュア・ピンシャーがかかりやすい病気としてよく知られているのが「膝蓋骨脱臼(パテラ)」です。これは小型犬に多い関節疾患で、膝のお皿が外れやすくなる病気です。ピンシャーはジャンプ力が非常に高く、ソファやベッドに飛び乗ったり降りたりすることが日常的にあります。そのため膝に大きな負担がかかりやすく、若齢のうちから発症することがあります。床が滑りやすい環境や過度なジャンプは避け、関節に負担をかけないようにすることが予防につながります。
次に注意したいのが「レッグ・カルベ・ペルテス病」です。これは大腿骨頭が壊死してしまう病気で、成長期に発症することがあります。歩き方がおかしくなったり、片足をかばうように歩く場合には早めに動物病院で検査を受ける必要があります。遺伝的な要因が関係することもあるため、信頼できるブリーダーから迎えることが重要です。
また、ミニチュア・ピンシャーは歯のトラブルにも注意が必要です。小型犬は顎が小さいため歯並びが密になりやすく、歯垢や歯石が溜まりやすい傾向があります。歯周病が進行すると全身の健康に悪影響を及ぼすため、日常的な歯磨きやデンタルケアは欠かせません。特に寿命が長い犬種なので、シニア期の健康を守るためにも若いうちから習慣化しておくことが望ましいです。
さらに皮膚の弱さも見逃せないポイントです。被毛は短くて密ではありますが、ダブルコートではなくシングルコートに近いため、外部からの刺激に敏感です。乾燥やアレルギーによる皮膚炎を起こすことがあり、環境や食事に注意が必要です。特に冬場の乾燥した季節や、夏の強い紫外線下では肌トラブルが起きやすいため、保湿や適切な環境づくりが大切です。
怪我に関しては、活発でジャンプ力がある反面、骨折や関節の損傷が起きやすいというリスクがあります。特に子犬期は骨がまだ発達段階にあるため、過度な運動や高所からの飛び降りは控えるべきです。家庭内でもフローリングなどの滑りやすい床材は怪我の原因となるため、カーペットやマットを敷く工夫が推奨されます。
寿命について改めて述べると、ミニチュア・ピンシャーは平均で12〜16年と、比較的長寿な犬種です。体が小さい犬ほど寿命が長い傾向にあるため、適切なケアを行えば15歳を超えても元気に過ごすケースは珍しくありません。長生きのためには、バランスの良い食事、適度な運動、定期的な健康診断が欠かせません。特にこの犬種は活動的で代謝が高いため、肥満よりも痩せすぎや栄養不足に注意が必要です。
総合的に見ると、ミニチュア・ピンシャーは丈夫で長寿な犬種である一方、関節や骨の病気、歯や皮膚のトラブルに注意を払う必要があります。飼い主が日々の観察を怠らず、小さな異変を早期に察知して対処することが、健康で長生きするための鍵となります。適切なケアを心がければ、シニアになってもなお活発さと明るさを失わない魅力的なパートナーとして長い時間を共にできるでしょう。
ミニチュア・ピンシャーは、その小柄な体からは想像できないほどの自信とエネルギーを持ち、常に活発に動き回る犬です。この性格は魅力である一方で、他の犬や子どもと同居する際には注意すべき点がいくつも存在します。同居のしやすさを正しく理解するためには、彼らの独立心や警戒心、そして社交性の発達の仕方を考慮する必要があります。
まず他の犬との相性についてですが、ミニチュア・ピンシャーは基本的に勇敢で自信に満ちており、自分よりも大きな犬に対しても物怖じしない傾向があります。そのため、多頭飼いの環境では時にトラブルを起こすこともあります。特に同じように気が強い犬種との組み合わせでは、主導権を巡って小競り合いが発生することがあります。ただし、社会化をしっかりと行い、幼少期から他犬との接触経験を豊富に積ませることで、友好的に関係を築けるケースも多く見られます。
相性が比較的良いのは、穏やかで落ち着いた性格の犬や、エネルギーの発散を一緒に楽しめる犬種です。たとえば、遊び好きで社交的な小型犬や、寛容さを持つ中型犬であれば、バランスの取れた関係を築きやすいでしょう。ただし多頭飼いをする際には、飼い主がリーダーシップを発揮して犬同士の序列や生活ルールを明確にし、トラブルを未然に防ぐことが欠かせません。
次に子どもとの同居についてですが、ミニチュア・ピンシャーは非常に活発で好奇心旺盛な性格のため、元気な子どもと遊ぶことを楽しめる側面があります。ただし、体は小柄で骨が細いため、子どもが不意に乱暴に抱き上げたり、落としてしまったりすると大きな怪我につながる危険性があります。特に幼い子どもにとっては、犬をぬいぐるみのように扱ってしまう可能性があり、それが原因で犬が防御的になり、吠えたり噛んだりすることも考えられます。そのため、小学校低学年くらいまでの子どもと同居する場合は、必ず大人がそばについて双方を見守ることが重要です。
また、ミニチュア・ピンシャーは警戒心が強いため、子どもの突発的な動きや大きな声に驚いて吠えることがあります。これは攻撃性ではなく防衛本能から来る反応ですが、子どもにとっては恐怖体験になることもあります。したがって、犬と子どもの双方に「穏やかに接する方法」を学ばせることが大切です。子どもには犬に無理強いをしないこと、犬の休んでいるときには触らないことを教え、犬には子どもと関わる時間を楽しいものとして認識させると良いでしょう。
さらに注意したいのは、ミニチュア・ピンシャーの縄張り意識の強さです。自分のテリトリーやお気に入りの場所に他者が入ると、強い警戒心を示すことがあります。このため、家庭内で犬の「安心できる場所」を確保し、子どもや他の犬がそこに立ち入らないようにすることが、ストレスを減らす工夫になります。
まとめると、ミニチュア・ピンシャーは他の犬や子どもと同居できる可能性を十分に持っていますが、条件次第で関係が良くも悪くもなりやすい犬種です。社会化や環境づくり、飼い主の管理が重要な鍵を握ります。適切な接し方を学ばせれば、活発で遊び好きな性格がプラスに働き、子どもにとっても良い遊び仲間となり、他の犬ともエネルギッシュに交流できるでしょう。しかし一方で、独立心や警戒心の強さを軽視するとトラブルのもとになりかねません。飼い主が冷静に調整役を担うことで、同居は十分に成功させることが可能です。
ミニチュア・ピンシャーは、小型犬の中でも特に運動欲求が強い犬種として知られています。体重は4〜6kg前後とコンパクトでありながら、その筋肉質な体つきとバネのある四肢から繰り出される運動能力は非常に高く、ちょっとしたアスリートのような存在です。そのため、見た目の小ささから「運動は少しで足りるだろう」と考えるのは誤解であり、むしろ小型犬の中でも特に多くの運動を必要とします。
1日の運動量としては、最低でも1時間以上、できれば朝夕2回の散歩を確保するのが理想です。散歩は単に歩くだけでなく、小走りや軽いジョギングを取り入れると満足度が高まります。彼らは俊敏で持久力もあるため、短時間の散歩ではエネルギーを発散しきれず、不満を溜め込んでしまうことがあります。その結果、家具をかじる、吠える、室内を走り回るといった問題行動につながる可能性があります。
また、ミニチュア・ピンシャーはジャンプ力が優れており、高いところに飛び乗るのが得意です。ドッグランでのフリーランや、アジリティといった障害物競技にも適性が高く、運動欲求を満たすだけでなく、知的好奇心を満たすことにもつながります。単調な運動よりも、変化に富んだ運動を提供することで心身のバランスが取れ、落ち着いた行動を取りやすくなります。
さらに特徴的なのは、精神的な刺激も運動の一部として必要であることです。ミニピンはとても賢く、自分で状況を判断しようとするため、ただ歩かせるだけでは飽きてしまうことがあります。散歩コースを変えたり、新しいトリックを練習したり、知育玩具を使った遊びを取り入れると効果的です。「体を動かす」と「頭を使う」を組み合わせた活動こそが、ミニチュア・ピンシャーにとっての理想的な運動といえます。
家庭内でも、彼らはよく走り回ったりジャンプしたりするため、広さが限られていても遊びを取り入れることは可能です。ただし、フローリングのような滑りやすい床では関節や骨に負担がかかりやすいので、マットを敷くなどの工夫が必要です。安全に遊ばせる環境を整えれば、家の中でもかなりの運動量を確保できます。
注意すべきは、運動不足によるストレスです。ミニチュア・ピンシャーは退屈を嫌い、満たされないエネルギーが攻撃性や問題行動に転化しやすい傾向があります。特に吠え癖や破壊行動は、運動不足と密接に関係しています。飼い主が忙しくて散歩の時間を確保できない場合は、ドッグランや犬のデイケアなど外部のサービスを利用するのも一つの手です。
総じて、ミニチュア・ピンシャーは小さな体に見合わないほどの運動欲求を持ち、それを満たすことが心身の健康維持に直結します。運動量を十分に確保することは、単に体力を消耗させるためだけでなく、精神的に安定させ、家庭内で穏やかに過ごすためにも欠かせない要素です。飼い主が積極的に一緒に運動を楽しむことで、犬にとっても飼い主にとっても健全で充実した生活を送ることができるでしょう。
ミニチュア・ピンシャーは「小さなドーベルマン」という愛称で呼ばれることがありますが、実際にはドーベルマンとは直接の血縁関係を持たず、独自の発展を遂げた犬種です。その外見は引き締まった筋肉質の体と精悍な立ち姿が特徴で、堂々とした雰囲気を漂わせています。小型犬でありながら非常にバランスの取れた体格をしており、優れた運動能力を支える機能美を持つ犬種です。
体高はおおむね25〜30cm、体重は4〜6kg程度とされていますが、骨格はしっかりしており、細身ながらも筋肉が発達しています。胸は適度に張りがあり、足は真っ直ぐで長さのバランスが良く、俊敏さと跳躍力を発揮できる構造です。そのため「小さな精悍なアスリート」とも表現されます。特に腰のあたりから後肢にかけてのラインは美しく、弾むように軽快な歩様がこの犬種の大きな魅力のひとつです。
頭部は比較的小さく、スッと伸びたマズルとアーモンド型の暗色の目が特徴的です。耳は立耳と断耳の両方が見られますが、近年では動物福祉の観点から断耳は行わない傾向が強まっています。自然な耳は三角形で先端がやや折れる形になり、表情豊かに動かすことで感情を表現します。尾についても、かつては断尾されることが多かったのですが、現在では自然な長さのまま残されることが一般的になっています。
被毛は短毛で非常に滑らかかつ光沢があり、体にぴったりと密着しているため、筋肉の美しい輪郭が際立ちます。被毛の構造はシングルコートに近く、下毛がほとんどないため、換毛期の抜け毛は比較的少ない傾向にあります。ただし、寒さに弱いという欠点もあり、冬の散歩では洋服を着せて体温を守る工夫が必要です。
毛色については、国際的な犬種団体(FCIやJKCなど)で認められている代表的なものは以下の通りです。
1. ブラック&タン:最も一般的な毛色で、艶やかな黒を基調に、目の上・口吻・胸・足先・尾の下部などに鮮やかな赤褐色(タン)のマーキングが入ります。このコントラストがミニピンの精悍な印象を引き立てています。
2. レッド:明るい赤から濃い赤褐色まで幅があり、単色の毛色です。光沢のあるレッドは非常に美しく、ブラック&タンに次いで人気があります。
3. チョコレート&タン:濃い茶色を基調とし、黒の場合と同じ位置にタンのマーキングが入ります。日本では珍しいですが、海外では一定の人気があります。
これらの毛色は遺伝によって決まり、それぞれに独特の魅力があります。特にブラック&タンは伝統的かつスタンダードな毛色として、ショーでもよく見られるタイプです。
体の特徴として注目されるのは、その優れた跳躍力と俊敏さです。小さな体ながら驚くほどの高さに飛び上がることができ、また狭い場所を軽やかに走り抜ける俊敏性を持っています。そのため家庭内では家具に飛び乗ったり、ちょっとした段差を難なく超えたりすることが日常茶飯事です。これらの身体能力はもともとネズミ捕り犬としてのルーツから受け継がれたものでしょう。
一方で、体の構造上、骨や関節は太くはないため、過度な負担がかかると怪我につながりやすいという側面もあります。特に高所からの飛び降りや、フローリングでのスリップは関節や骨折のリスクを伴いますので、飼育環境には注意が必要です。
総じて、ミニチュア・ピンシャーは小柄でありながら筋肉質で引き締まった体、光沢のある短毛、美しい毛色を備えた犬種です。シンプルながら洗練された外見は、多くの愛犬家を魅了してやみません。精悍さと優雅さを兼ね備えたその姿は、単なる小型犬という枠を超えて「小さな存在感の大きな犬」としての個性を際立たせています。
ミニチュア・ピンシャーは、日本でも高い人気を誇る小型犬のひとつです。そのため、ペットショップ、ブリーダー、そして里親募集など、迎える方法はいくつか存在します。ただし、この犬種ならではの性格的特徴や飼育の難しさを理解しないまま飼われ、手放されてしまうケースもあるため、迎え方には十分な注意が必要です。
まず値段についてですが、日本国内でのミニチュア・ピンシャーの子犬の価格相場は、おおよそ15万円から30万円程度が一般的です。毛色や血統、性別によって価格が変動し、ショータイプの良血統であれば40万円を超えるケースもあります。特に人気のあるブラック&タンは流通量が多いため比較的安定した価格で出回りますが、レッドやチョコレート&タンといった珍しい毛色はやや高額になる傾向があります。また、体格がスタンダードに近いかどうかも価格に影響を与える要因です。
ブリーダーから迎える場合、信頼できる相手を選ぶことが極めて重要です。ミニチュア・ピンシャーは遺伝性疾患(膝蓋骨脱臼やレッグ・カルベ・ペルテス病など)に注意が必要な犬種ですので、両親犬の健康状態や繁殖方針をしっかりと確認し、無理な繁殖をしていないかどうかを見極める必要があります。きちんとしたブリーダーは、犬舎を見学させてくれるだけでなく、子犬の性格や飼育上の注意点を詳しく説明してくれるはずです。迎える前に必ず直接会って相談し、犬との相性を確かめることをおすすめします。
一方、里親制度を利用する方法もあります。前述の通り、ミニチュア・ピンシャーは非常に活発で、自立心が強い性格を持つため、思ったより飼育が難しいと感じて手放されるケースが少なくありません。保護団体や動物愛護センターには、家庭の事情や飼育困難を理由に保護されたミニピンが新しい家族を待っていることがあります。里親になる場合は、譲渡条件として「終生飼育の約束」や「定期的な報告」などが求められることが多いですが、それだけに犬を大切にしてくれる家族を見極めようとする姿勢が強い証拠でもあります。費用面では、譲渡費用として医療費やワクチン代など実費が必要になる程度で、ブリーダーやショップから購入するよりは安価な場合が多いです。
迎え方を選ぶにあたり最も大切なのは、値段の安さや見た目の好みだけで判断しないことです。ミニチュア・ピンシャーは見た目の可愛らしさや精悍さ以上に、活発さと独立心の強さが際立つ犬種です。そのため、十分な運動やしつけに時間を割けない家庭ではストレスがたまりやすく、結果として手放されてしまうことにもつながります。ブリーダーから迎えるにせよ、里親になるにせよ、自分のライフスタイルと犬の性格が本当に合っているかを慎重に考えることが必要です。
まとめると、ミニチュア・ピンシャーを迎える際には、
1. 健康面を重視し、信頼できるブリーダーを探すこと。
2. 里親制度を視野に入れ、保護犬を家族に迎える選択肢も検討すること。
3. 値段よりも、犬と長く幸せに暮らせる環境を整えること。
この3点が大切です。きちんと準備を整えて迎えれば、ミニチュア・ピンシャーはその明るさとエネルギッシュな性格で、日々の生活を活気づけてくれる最高のパートナーになります。小さな体に詰まった大きな個性と魅力を理解し、責任を持って育てることで、共に過ごす時間はかけがえのないものとなるでしょう。
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最近、家で過ごす時間が増えてきて、そろそろ犬を飼いたいな~なんて考え始めています。色々な犬種を調べたり、SNSで飼っている人の投稿を眺めたりしながら、「どんな子が自分の生活に合うんだろう?」とわくわくしている毎日です。
そんな中でよく目にするのがミニチュア・ピンシャー、通称“ミニピン”です。小さな体でスタイリッシュ、なのにすごく活発そうで
ミニピンと暮らし始めて早いもので数年たちますが、いまだに「ミニピンってしつけしやすい?」って質問、本当によく聞かれます。ネットで検索してもいろんな意見が出てきて、これからお迎えしようと考えている方や、まだ一緒に暮らし始めて間もない人にとっては不安なテーマだと思います。私も「一筋縄ではいかないよ」とか「意外と素直だよ」という話のどちらも見聞き
.......(続きはここをクリック)はじめまして。つい最近、小型犬のミニピン(ミニチュア・ピンシャー)を家族に迎えたところです。犬を飼うのはこれが人生で初めてで、基本的なことから分からないことだらけなので、ネットで色々調べつつ手探り状態で毎日を過ごしています。いま一番知りたいことの一つが、ミニピンってどれくらい留守番できるものなのか、ということです。
実は、うちに来てか
.......(続きはここをクリック)最近引っ越しを考えていて、「犬を飼うならどんな犬種が良いんだろう?」ってめちゃくちゃ調べてる真っ最中です。小型犬でスタイリッシュな見た目が可愛いな〜と思って気になってるのがミニピン(ミニチュアピンシャー)です。でも、ネットでは「活発」とか「運動量が多い」とか、「吠える」って意見も結構見かけて、マンションやアパートの環境でも本当に飼いやすいの
.......(続きはここをクリック)こんにちは!最近、ミニピンの可愛さにどハマりしています。お散歩中に見かけるたびに、あのスラリとした脚とピンと立った耳、そしてちょこまかとした元気な動きにキュンとしてしまってます。SNSでもミニピンと暮らしている方の投稿をよくチェックしてるのですが、たまに「うちの子、よく吠えちゃうんです…」みたいなコメントを目にして「もしかしてミニピンって吠
.......(続きはここをクリック)ここで唐突に質問させていただきます。長年ずっと柴犬と暮らしてきたのですが、最近ミニチュアピンシャー(ミニピン)の子を家族に迎えました。ネットで下調べをしていたときに、「ミニピンは脱走しやすい」「ミニピンは運動量が多いから気をつけて」みたいな書き込みをよく目にして、今ちょっと不安になっています。
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