【頑固そうな見た目と実は飼いやすい性格のプチ・ブラバンソン】

プチ・ブラバンソンの基本情報(性格・しつけ・病気など)

 
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プチ・ブラバンソン
[英記]:Petit Brabancon

    ◇基本データ
  • ・サイズ:  小型犬
  • ・体高:18cm~23cm
  • ・体重:3kg~6kg

  • ◇起源・歴史・沿革・系統:
  • プチ・ブラバンソンの原産国はベルギーで、首都ブリュッセルあたりを中心として長らく飼われていました。

    19世紀に、ブリュッセル界隈を原産とする地犬のスムージー(Smousje)という小型犬を始祖犬とする ブリュッセル・グリフォンに、 パグや キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルと交配され、 プチ・ブラバンソンの現在の形が誕生しています。
    ベルジアン・グリフォンとも系統を同じくする犬種ということになります。

    もともとは、馬車の守衛や、馬小屋に害獣が侵入するのを防ぐ役目で飼われていました。
    また、この頃に、ベルギー王室のマリー・アンリエット王妃により飼われており、一躍有名となり、人気が出ました。
    その後、プチ・ブラバンソンはベルギー国外にも広く輸出されるようになり、現在は世界中で飼われている犬種になっています。


    ◇こんなスタイルで犬を飼いたい方・こんな状況の方との相性Good!!
    ・性格が穏やか・物静か、しつけがしやすい犬種が良い
    ・もし、しつけに苦戦した場合があったとしても、気長に根気強くできる
    ・運動量は少ない方が良い
    ・同居の子供や他の犬と仲良くしてくれる犬を重視したい
プチ・ブラバンソンのメイン写真 プチ・ブラバンソンの特徴評価グラフ

しつけのしやすさ

プチ・ブラバンソンは、ベルギー原産の小型犬で、もともとはネズミ捕りや愛玩犬として人と密接に暮らしてきた歴史を持ちます。そのため、人に対する愛情がとても深く、飼い主に強く依存する傾向があります。こうした性質はしつけのしやすさに直結しており、基本的に飼い主の声かけや態度に敏感に反応し、望ましい行動を覚えるのは比較的早い犬種といえます。ただし、一方で感受性の高さが裏目に出ると、叱責に対して必要以上に萎縮してしまったり、逆に神経質になったりすることもあるため、しつけの際は「やさしく根気よく」を意識する必要があります。

プチ・ブラバンソンは賢さと観察力に優れているため、一度学習したことはしっかりと覚える傾向があります。ただし、飽きっぽさもあるため、長時間同じ練習を繰り返すと集中力が途切れてしまう場合があります。そのため、しつけを行うときは1回あたりのセッションを短めに設定し、遊びを交えながら楽しめるように工夫することがポイントとなります。例えば、トリーツ(ご褒美のおやつ)やおもちゃを活用し、「できたらすぐに褒める」という流れを繰り返すことで、犬にとって学習が楽しい体験になります。

また、プチ・ブラバンソンは「分離不安」を起こしやすい犬種として知られています。飼い主への依存度が高いことが理由ですが、これはしつけの中でも重要な課題の一つです。子犬の頃から一人で過ごす時間を少しずつ設け、飼い主がいない状態でも安心して落ち着いていられるように練習することが、将来的に問題行動を防ぐ大切な要素となります。無理に長時間留守番させるのではなく、5分、10分と徐々に時間を伸ばしていく形で慣らしていくのが理想的です。

吠えに関しては、プチ・ブラバンソンは極端に吠える犬種ではありませんが、注意を引きたいときや不安を感じたときには声をあげることがあります。吠え癖がつくと修正が難しくなるため、早い段階から「吠えても構ってもらえない」「落ち着いているときに褒められる」というルールを教えることが大切です。特に来客や外の物音に敏感に反応する子もいるため、社会化トレーニングを兼ねて様々な音や人、環境に触れさせておくと安心です。

さらに、プチ・ブラバンソンはその可愛らしい見た目から、ついつい甘やかされがちですが、甘やかしは問題行動の温床になります。抱っこをせがまれるたびに応じたり、要求吠えに反応してしまったりすると、犬が「自分の意思で飼い主を動かせる」と学習してしまい、わがままな性格が助長されます。そのため、かわいらしさに負けず、飼い主がリーダーシップを持って接することがしつけ成功のカギとなります。

まとめると、プチ・ブラバンソンは知能が高く、人に寄り添う気持ちが強いため、基本的にはしつけやすい犬種です。しかし、繊細さや依存心の強さがあるため、叱るよりも褒めることを中心にしたポジティブなトレーニングが求められます。また、社会化や分離不安への対応を早い段階から意識することで、安定した性格の家庭犬へと育てることが可能です。愛情を持って一貫した態度で接すれば、非常に優秀で愛らしいパートナーになってくれるでしょう。

気性の穏やかさ・性格

プチ・ブラバンソンは、ベルギーで生まれた小型の愛玩犬でありながら、もともとは農家でネズミを捕らえるために飼われていた背景を持ちます。そのため、俊敏さや警戒心を備えている一方で、長い歴史の中で愛玩犬として人間と密接に暮らしてきたことから、極めて人懐こく、家庭犬として高い適性を備えています。性格の最大の特徴は「愛情深さ」と「繊細さ」であり、飼い主に対して無条件の信頼と献身を示す点にあります。

プチ・ブラバンソンは、感情表現がとても豊かな犬種です。小さな顔に大きな目を持ち、その表情からは喜び、悲しみ、不安といった感情がはっきりと読み取れることも少なくありません。飼い主が喜んでいると一緒に喜び、逆に落ち込んでいるとそっと寄り添うなど、いわば「心の共鳴」ができる犬だといえます。このような点から、愛玩犬の中でも特に「家族との一体感」を大切にする犬種とされています。

気性については、全体としては穏やかで優しい子が多いのですが、その根底には非常に敏感な神経があります。例えば、大きな物音や知らない人の急な接近などに驚きやすく、不安から吠えてしまうこともあります。ただし、攻撃性は強くなく、むしろ不安を感じたときに飼い主の後ろに隠れたり、抱っこを求めたりする傾向が強いです。したがって、飼い主が安心感を与え、落ち着いた態度で接してあげることが、気質の安定に繋がります。

もうひとつ特徴的なのは、強い「甘えん坊気質」です。プチ・ブラバンソンは他の小型犬以上に人への依存度が高く、常に飼い主のそばにいたがる傾向があります。この性格は愛らしさの一方で、分離不安を引き起こす要因ともなり得ます。長時間の留守番や、家族からの無関心は精神的なストレスとなり、過剰な吠えや破壊行動といった問題に発展する可能性があります。従って、この犬種を迎える家庭では「できる限り一緒に過ごす時間を確保できるかどうか」が重要な条件のひとつといえるでしょう。

また、プチ・ブラバンソンは好奇心が旺盛で遊び好きな面も持っています。小型犬ながら自分より大きな犬に対しても怖がらず、興味津々で近寄っていくこともあります。社交的ではありますが、相手が荒っぽい犬だと怪我につながる可能性もあるため、飼い主が状況をよく見極める必要があります。子犬のうちから多様な人や犬と触れ合う経験を積ませることで、社会性がより育まれ、成犬になっても落ち着いた性格でいられるでしょう。

家庭においては、非常に忠実で「一度信頼した飼い主にはとことん尽くす」タイプの犬です。他の家族とも仲良くできますが、特に一人の人物を「自分の人」として強く意識し、その人を中心に行動する傾向が見られます。このため、多頭飼いや大家族の中では、特定の一人に依存が偏らないよう配慮することも必要です。

総じて、プチ・ブラバンソンは穏やかで愛情深く、人との関わりを心から楽しむ性格を持っています。しかしその裏には繊細さが隠れており、厳しい接し方や孤独に弱い一面もあります。愛情と安心感を与え続けられる家庭であれば、その魅力は存分に発揮され、まさに「小さな相棒」としてかけがえのない存在になるでしょう。

病気・けがへの強さ・寿命

プチ・ブラバンソンは小型犬の中では比較的健康的な犬種に分類されますが、その独特の体の特徴や遺伝的背景から注意すべき点がいくつかあります。平均寿命は12〜15年程度とされており、適切な飼育環境と健康管理を行えば長生きが期待できる犬種です。しかし、体質的に弱い部分もあるため、飼い主が日常的に意識して予防や早期発見に努めることが大切です。

まず注目すべきは、その「短頭種」としての特徴です。プチ・ブラバンソンはブルドッグやパグのように極端ではないものの、鼻が短く、ややつぶれた顔立ちをしています。このため「短頭種気道症候群」と呼ばれる呼吸器系のトラブルを起こしやすく、特に夏場の暑さや湿度には非常に弱い傾向があります。気温が高い環境での運動は呼吸困難を引き起こす危険性があるため、涼しい時間帯に散歩を行ったり、エアコンで室温を調整したりと、熱中症対策が欠かせません。

次に、眼の疾患に注意が必要です。プチ・ブラバンソンは目が大きく、やや突出した形をしているため、結膜炎や角膜潰瘍といったトラブルが起こりやすいのです。枝や砂埃などによる物理的な刺激を受けやすく、またドライアイのような慢性的な症状を抱える個体もいます。散歩の際には草むらや低木に顔を突っ込ませないように気を付けたり、帰宅後に目の周囲を清潔に保つことで予防に繋がります。

さらに、膝蓋骨脱臼(パテラ)は小型犬全般に見られる代表的な整形外科疾患であり、プチ・ブラバンソンも例外ではありません。膝のお皿がずれてしまうことで歩行に異常が出たり、痛みを伴ったりするもので、重度の場合は外科的治療が必要になることもあります。滑りやすい床は関節に負担をかけるため、カーペットを敷いたり、ジャンプを繰り返させないといった工夫が推奨されます。

また、遺伝的な心臓疾患(僧帽弁閉鎖不全症など)にかかる個体もいます。これは加齢とともに発症しやすく、初期は咳や軽い呼吸の乱れといった症状が見られることがあります。定期的な健康診断、特に心音のチェックを受けることは非常に有効で、早期に発見できれば投薬治療によって進行を遅らせることが可能です。

歯のトラブルも小型犬にはつきものです。プチ・ブラバンソンは特に顎が小さいため、歯が密集して生えやすく、歯石や歯周病が進行しやすい傾向があります。口腔疾患は内臓疾患とも密接に関わるため、日常的な歯磨きやデンタルケアグッズの使用が欠かせません。

寿命に関しては、健康的に飼育されれば15歳前後まで生きる子も珍しくありません。ただし、寿命を左右するのは遺伝的要因だけでなく、日常の生活習慣や飼い主の管理に大きく依存します。過度な肥満は関節疾患や心臓病のリスクを高めるため、適切な食事管理と運動量の確保は欠かせません。小型犬であるため食事量は少なめですが、質の高いフードを与えることが健康維持に直結します。

総括すると、プチ・ブラバンソンは小型犬らしく比較的長寿である一方、短頭種特有の呼吸器疾患や眼病、関節の弱さなどに注意が必要な犬種です。飼い主が意識して環境を整え、定期的な健康診断や日々のケアを怠らなければ、長く健やかな犬生を全うすることができるでしょう。そのためには「早期発見・早期対応」が何よりも重要であり、日々のちょっとした変化を見逃さない観察眼が求められます。

他の犬や子どもとの同居しやすさ

プチ・ブラバンソンは、その小さな体と豊かな表情から「家庭犬」として非常に人気がありますが、他の犬や子どもとどのように関わるかは、家庭で一緒に暮らすうえで重要なポイントです。この犬種は全体として社交的で愛情深く、人や犬との交流を楽しむ傾向を持っていますが、一方で繊細さや依存心の強さが影響し、環境や相手の接し方によってはうまく適応できない場合もあります。ここでは、犬同士の関係性、子どもとの同居、そして多頭飼育に関する注意点を詳しく解説していきます。

まず、他の犬との関係についてです。プチ・ブラバンソンは好奇心が旺盛で、初対面の犬にも比較的フレンドリーに接することが多いです。大きな犬に対しても臆することなく近寄ることがあり、その勇敢さが魅力のひとつとも言えます。しかし、小型犬ならではの身体的な脆弱さがあるため、相手の犬が力加減を知らないタイプだと、遊びの中で思わぬ怪我につながる可能性があります。したがって、他犬との交流は必ず飼い主が見守り、相手の犬の性格や体格をよく観察する必要があります。

また、プチ・ブラバンソンは「群れ意識」を強く持つ傾向があり、一度関係を築いた犬に対しては深い絆を感じやすいです。ただし、飼い主への独占欲も強く、「自分だけが飼い主に愛されたい」という気持ちから、他の犬に嫉妬心を抱くこともあります。このため、多頭飼いを検討する場合は、飼い主が公平に愛情を注ぐことが重要です。一方にばかり構ってしまうと、プチ・ブラバンソンが不安を募らせ、吠えやすくなったり、攻撃的な態度を取ったりする可能性があります。

次に、子どもとの同居についてです。プチ・ブラバンソンは基本的に穏やかで優しい性格をしており、子どもとも仲良く暮らすことができます。しかし、体が小さく、骨格も華奢なため、子どもが不用意に抱き上げたり、乱暴に遊んだりすると大きな怪我につながるリスクがあります。特に小学校低学年以下の子どもがいる家庭では、必ず大人が仲介し、子どもに「犬はおもちゃではない」という意識をしっかり持たせることが大切です。優しく撫でる、静かに抱っこするなどの正しい接し方を教えることで、犬と子どもの双方にとって安全で安心な関係を築くことができます。

プチ・ブラバンソンは非常に感受性が高いため、子どもが大声を出したり、急に動いたりすることに驚いてしまう場合もあります。ただし、飼い主が落ち着いて仲介すれば、徐々に慣れて共に生活することが可能です。むしろ、子どもが穏やかに接することを学ぶきっかけになり、犬と人間の双方が豊かな関係を育むことにつながるでしょう。

他の動物との同居についても触れておきます。プチ・ブラバンソンは元来、ネズミ捕りをしていた歴史があるため、小動物(ハムスターやモルモットなど)に対しては狩猟本能が刺激される場合があります。そのため、これらの小動物との同居は避けるか、徹底した隔離が必要です。一方で、猫に関しては比較的相性が良いとされ、ゆっくり慣らしていけば仲良く暮らせるケースも多く見られます。

総括すると、プチ・ブラバンソンは基本的に他の犬や子どもとも仲良くできる性格を持っていますが、体の小ささと繊細さゆえに、飼い主が「仲介役」として環境を整えてあげることが不可欠です。適切に関係を築けば、他犬や子どもと共に楽しく暮らすことができるでしょうが、そのためには公平な愛情、無理のない社会化、そして事故防止の工夫が欠かせません。

運動量の多さ

プチ・ブラバンソンは小型犬に分類されるため、一見すると「運動量が少なくても大丈夫なのでは」と思われがちです。しかし、実際には活発さと好奇心を兼ね備えた犬種であり、心身の健康を維持するためには適度な運動が欠かせません。とはいえ、大型犬のように激しい運動を必要とするわけではなく、生活環境に合わせて無理なく消費できる運動量で十分に満足してくれます。ここでは、必要とされる運動量の目安や具体的な方法、注意すべき点について詳しく解説していきます。

まず、散歩についてですが、プチ・ブラバンソンは1日2回、各20〜30分程度の散歩が理想的とされています。距離にすると2〜3km程度が目安となります。短頭種であるため、長距離のランニングや炎天下での激しい運動は呼吸器への負担が大きく、熱中症のリスクも高まります。そのため、散歩は気温が低い朝や夕方に行い、犬の様子を見ながら適切なペースを保つことが重要です。

また、プチ・ブラバンソンは好奇心が強いため、散歩は単に体を動かすだけでなく「外の世界を探索する」という意味でも大きな役割を持ちます。匂いを嗅いだり、他の犬と出会ったり、環境の変化を感じたりすることが精神的な刺激となり、ストレス解消や社会性の向上に繋がります。運動量そのものよりも「心身の満足感」を重視することが、この犬種における散歩のポイントです。

室内での運動も有効です。小型犬であるため、広い庭やドッグランがなくても、室内での遊びで十分なエネルギーを消費できます。ボール遊びや知育玩具を使った遊び、引っ張りっこなどはプチ・ブラバンソンが大好きな活動です。特に知的好奇心が旺盛なため、頭を使う遊びは体力消耗だけでなく精神的満足にも直結します。例えば、トリーツを隠して探させる遊びや、簡単なコマンドを組み合わせたゲームは良い刺激になります。

一方で注意すべき点は、運動の「やりすぎ」です。プチ・ブラバンソンは体が小さく関節も弱いため、過度なジャンプや階段の上り下り、長時間のランニングは膝や腰に負担をかけます。特に膝蓋骨脱臼(パテラ)のリスクが高い犬種なので、運動の際には滑りにくい床を選び、段差を無理に登らせないように配慮が必要です。

また、精神面の特徴として「飼い主と一緒に活動すること」が何よりの喜びである点も忘れてはいけません。散歩や遊びをただの運動時間と捉えるのではなく、飼い主と共に過ごす大切なコミュニケーションの時間とすることが、この犬種にとっての最大の満足につながります。たとえ短い散歩でも、声をかけながら歩いたり、遊びの中でたくさん褒めたりすることで、心身ともに充実した時間となるでしょう。

総じて、プチ・ブラバンソンは小型犬としては運動欲求が中程度であり、極端に多くの運動を必要としません。しかし、適度な散歩と室内遊び、そして飼い主とのコミュニケーションを兼ねた活動があれば、十分に満足して健やかに暮らすことができます。運動を通して体力だけでなく精神的な充足感を与えることこそが、この犬種の生活において最も大切なポイントなのです。

体の特徴・被毛・毛色の特徴

プチ・ブラバンソンは、ベルギーの小型愛玩犬3種(ブリュッセル・グリフォン、ベルジアン・グリフォン、プチ・ブラバンソン)のひとつで、主に被毛の種類によって分類されます。3種の中で唯一「短毛」を持つのがプチ・ブラバンソンであり、その見た目は他の2種と比べてよりすっきりとした印象を与えます。大きな瞳とつぶれ気味の顔立ちが特徴的で、人間のような表情を見せることから「小さな道化師」や「サルのような顔立ち」と表現されることもあります。

体高はおよそ18〜20cm、体重は3.5〜6kgほどで、小型犬の中でも比較的小ぶりな部類に入ります。骨格は華奢に見えますが筋肉はしっかりしており、意外にもバランスのとれた体つきをしています。頭部は丸みを帯び、短い鼻と広い額を持ち、顎はやや突き出た「アンダーショット(下顎が前に出る咬合)」が一般的です。この独特の顔立ちは愛嬌があり、表情豊かで感情を読み取りやすいという魅力に繋がっています。

被毛は短く、密に生えそろったスムースコートです。触り心地は滑らかで光沢があり、手入れも比較的容易です。長毛を持つグリフォン種とは異なり、プチ・ブラバンソンではトリミングの必要がなく、日常的にはブラッシングを週1〜2回行う程度で十分に美しい被毛を保つことができます。抜け毛は多い方ではありませんが、換毛期にはやや増えるため、その時期にはこまめなブラッシングが必要です。

毛色については国際的に認められているものがいくつかあります。代表的な毛色は以下の通りです。

1. レッド(濃い赤褐色からオレンジがかった赤まで幅広い)
2. ブラック(全身が黒一色のタイプ)
3. ブラック・アンド・タン(黒を基調に、眉・口元・胸・脚などに明るいタンのマーキングが入る)

これらはいずれも公式に認められているカラーで、毛色によって性格的な違いは特にありません。ただし、ブラックやブラック・アンド・タンは目や鼻とのコントラストが強く、より表情が際立って見える傾向があります。一方、レッドは柔らかく明るい印象を与えることが多いです。

体の特徴として忘れてはならないのが「大きな目」と「豊かな表情」です。目は丸く、やや前に突出しているため感情をはっきりと表現し、飼い主は犬の気持ちを読み取りやすいと言われます。その一方で、先述したように外傷や眼病には注意が必要です。

尾は断尾されることもありますが、現在では自然な形で残されるケースが増えています。耳も断耳の歴史がありましたが、現在は多くの国で動物福祉の観点から禁止されており、自然な立ち耳または半垂れ耳の姿が一般的です。耳は小ぶりで頭部とのバランスが良く、可愛らしい印象を与えます。

全体として、プチ・ブラバンソンは「小さいけれど存在感がある犬」です。短毛でお手入れがしやすく、独特の顔立ちと表情の豊かさが他の犬種にはない魅力を生み出しています。その姿は一見ユーモラスでありながらも気品があり、家庭犬として非常に愛される理由のひとつとなっています。

里親・ブリーダー・値段

プチ・ブラバンソンは、日本国内ではまだ非常に珍しい犬種に分類されます。欧米、特に原産国であるベルギーや近隣のヨーロッパ諸国では一定の知名度を持っていますが、日本での飼育頭数は限られており、ペットショップで目にする機会はほとんどありません。そのため、迎え入れる場合は主にブリーダーからの直接購入や、まれに里親制度を通じて引き取るケースが中心となります。

まず、ブリーダーから迎える場合についてです。プチ・ブラバンソンは人気のあるトイ犬種(チワワやトイ・プードルなど)に比べると繁殖数が少なく、取り扱っているブリーダーも非常に限られます。そのため、信頼できるブリーダーを探すのには時間がかかることがあります。ブリーダーを選ぶ際には、犬舎の清潔さや親犬の健康状態、繁殖ポリシーなどを確認することが不可欠です。特に、プチ・ブラバンソンは短頭種で呼吸器や目の病気に注意が必要な犬種ですので、遺伝的疾患への配慮をしているかどうかは大きな判断基準となります。良質なブリーダーは、購入前に親犬や兄弟犬の情報を公開し、健康診断やワクチン接種の記録を提示してくれるでしょう。

価格については、日本国内でプチ・ブラバンソンを購入する場合、一般的には30万円〜50万円程度が相場とされています。ただし、希少性や血統の良さ(チャンピオン犬の系統など)によっては60万円を超えることもあります。海外から輸入する場合は、輸送費や検疫にかかる費用が追加されるため、総額はさらに高額になる可能性があります。

一方で、里親制度を通じてプチ・ブラバンソンを迎えることも可能ですが、数は極めて少ないのが現状です。希少犬種であるため、保護犬として出回ることはほとんどありません。ただし、飼い主の事情(転居、病気、経済的理由など)で飼育が継続できなくなった場合に、里親募集が出ることもあります。そのような情報は犬種専門のコミュニティや愛護団体を通じて得られる場合が多いです。里親で迎える場合は金銭的な負担はブリーダー購入より少なく済みますが、健康状態や過去の飼育環境によっては特別なケアが必要になることもあります。

さらに、迎え入れた後の費用についても考慮する必要があります。プチ・ブラバンソンは小型犬のため食費は比較的抑えられますが、病気やけがのリスクを考えると医療費は軽視できません。特に短頭種特有の呼吸器疾患や目の病気、膝蓋骨脱臼などの整形外科的疾患が発生する可能性を考えると、ペット保険への加入は強く推奨されます。また、長寿傾向があるため、シニア期の医療費も長期的に見積もることが重要です。

総括すると、プチ・ブラバンソンを迎えるには入手難度が高く、価格もやや高額ですが、その愛らしい魅力と深い愛情を考えれば、それに見合う価値がある犬種といえます。信頼できるブリーダーや里親団体を通じて出会いを探し、迎えた後は健康管理にしっかり取り組むことで、小さな相棒との豊かな生活を築くことができるでしょう。

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