実はビション・フリーゼの起源については、はっきりしていないのが実状で、諸説が存在しています。
ヨーロッパ地中海南部において、ミニチュア・プードルとミニチュア・スパニエルを交配して作られたという説。
「バーベット(別名バルビー)」という大型の水中作業用の犬種と、 マルチーズのような白い小型犬を掛け合わせたことで生み出された 『バービションズ』という犬種が始祖であるという説。
地中海沿岸に生息していたスピッツ系の犬種を始祖犬とする説。
その後、イタリアでバルビションという犬種に改良され、 ビション・マルチーズ、ビション・ボロネーゼ、ビション・ハバナ、ビション・テネリフェといった4犬種に発展しました。
さらに、スペイン人の船乗りたちの手によりカナリア諸島のテネリフェ島に持ち込まれ (持ち込まれたのはビション・テネリフェだったいう説が有力)、 14世紀にはイタリア人により国に持ち帰られ、イタリア貴族の間で人気が出ました。
また、スペインやフランスの宮廷でも飼われるようになっています。
しかしながら、フランス革命が起こったことで、上流階級の犬だったビション・フリーゼは多くが処分されてしまいました。ビション・フリーゼの人気はヨーロッパ全体で衰退し始めました。
19世紀初頭のナポレオン3世の時代には一時的に人気が復活しましたが、再びすぐにその人気を失っていきました。
徐々にヨーロッパを中心としてビション・フリーゼの数も増えていき、 庶民の間でも飼われるようになっていましたが、
ビション・フリーゼが宮廷のお気に入りから、庶民的なレベル(野犬も存在した)に転落したためとも考えられています。
しかし、芸をすることも得意なビション・フリーゼは、サーカスや行商人と一緒に曲芸犬としても活躍するようになっており、この分野で生き残りをつないでいました。
第一次世界大戦下では、その数が激減し、兵士たちにより持ち帰られたわずかな数だけになってしまいました。
その後、フランスやベルギーの熱意あるブリーダーたちにより、品種としての確立が行われていったことで、このビション・フリーゼという犬種は存続を救けられました。
1900年代初頭の当時は当時は呼び名が2通り存在し、 『ビション』『テネリフェ』それぞれで呼ばれていましたが、 1933年には『ビション・プワル・フリーゼ(「巻き毛のビション」という意味。)』と名付けられ、 1973年にはFCI(国際畜犬連盟)によって正式に『ビション・フリーゼ』という呼び名 (“ビション”は「飾る」、“フリーゼ”は「縮れた毛、もじゃもじゃの毛」というそれぞれの意味を持つ)が定められました。
しかし、第二次大戦下で再び種の存続の危機を迎えることになりましたが、1950年代にアメリカに渡り、1960年代に広く知られるようになり本格的に注目が集まり始め、数も増えだしました。
1971年にアメリカンケネルクラブ(AKC)によって犬種認定されました。
この頃に日本にもビション・フリーゼが登場してきましたが、当時の日本国内ではマルチーズが非常に人気を博していた時代でもあったため、ビション・フリーゼの愛好家も増えやすかったのかもしれません。
ビション・フリーゼは、サーカスなどで曲芸で活躍していたほど、とても頭が良い犬種で教えたことを覚える能力があります。トレーニング向きでもあり、しつけを覚えやすい犬種の一つだと言えます。
また、周りの環境などに対しても順応性が高い犬種でもありますので、そういった部分でもしつけをする上でプラスに働くでしょう。
ビション・フリーゼが本来持つ性格として、飼い主さんに寄り添い従順でいてくれる面も持ち合わせていますので、初心者の方でも比較的しつけをしやすい犬種にはなりますが、寂しがり屋な一面があるためハウストレーニングなどは難しい場合があります。
ビション・フリーゼは陽気で明るく、知らない人にも誰にでも友好的で遊び好き、人懐っこい性格をしています。
特に、飼い主さんや家族に対し、愛情深く接してくれます。
一方、寂しがり屋でもあるので、 留守番などの一人になる時間は極力避け、なるべく一緒に過ごしてあげることが必要になってきます。孤独に対するストレスは抱えがちになりますので、充分にケアが必要です。
また、性格的には活発ではあるものの、物静かな雰囲気があるのが、ビション・フリーゼの特徴の魅力の一つでもあります。
総じて、ビション・フリーゼは、性格の面でも初心者の飼い主さんでも飼いやすい犬種の一つと言えるのではないでしょうか。
ビション・フリーゼは、外見が似たようなプードルなどと比べると、筋肉質な体をしています。
平均寿命としては12~16年ぐらいと言われており、病気やけがも特別大きなものを抱えているわけではなく、 健康的な犬種となります。
被毛が絡まりやすいため、手入れせずに放置しておくと皮膚病にかかりやすくなってしまいます。
※ちなみに、『パウダー・パフ』と呼ばれるビション・フリーゼのイメージで有名なアフロヘアですが、 自然にはそういったものになることはなく、 サロン等でプロにきちんとトリミングを仕上げてもらうとできる型にはなります。
また、ビション・フリーゼは急にはしゃぎ回ることがありますので(詳細は「運動量の多さ」欄を参照)、 膝のお皿がずれてしまう症状の【膝蓋骨脱臼】は普段から注意しおいたほうが良く、 足元が滑らないようにしておくことが必要です。
耳は垂れ下がって外形のため、汚れが原因となる『外耳炎』も注意が必要です。
夏は日本のような湿度が高いものは苦手なため、室内でのエアコンは必需品になります。
また、湿度が高いと被毛の中に湿気がこもりやすく、 特に梅雨時期など『急性湿潤性湿疹』のような皮膚の病気に注意が必要です。
ビション・フリーゼは、基本的には家族に愛情を持ち、小さい子供や他の動物に対しても非常に友好的に付き合ってくれますし、感受性も強くコミュニケーションも得意なため、家族との同居でもうまくやっていける素質を持ち合わせています。
ただ、ビション・フリーゼは逆に他の犬などに気を使いすぎてしまう一面も持っており、 最悪の場合、ストレスに起因する病気を引き起こしてしまう場合があります。
上手にやっているように見えても油断はせず、気を配ってあげてうまくケアをしながら一緒に生活していきましょう。
基本的には、ビション・フリーゼは活発で非常に遊び好きです。
ただし、必要な運動量としては少なく、散歩は1日1,2回で1回10分~15分程度(長くても30分程度)の散歩で問題ありません。
遊ぶことが大好きな犬ですので、おもちゃなどで一緒に遊んであげることも重要になってきます。
また、ビション・フリーゼの一つの特徴として、 突然はしゃぎだすこともあり(その後、ビション・フリーゼ本人の体力消耗とともに落ち着いてくる)、 愛好家を中心にこういった行動を『ビションブリッツ』『ビションスイッチ』『ビションの運動会』などなど、 呼び名が付いていたりします。
なぜこのような急なはしゃぎ出すことが起こるかという疑問に対する答えとして、 ある一説では、ビション・フリーゼ自身の認識の中で、 遊べる環境があると感じたときにテンションが一気に上がることが原因ということも言われていますが、 実は真相はいまだにはっきりしていません。
ビション・フリーゼの被毛は非常に特徴的で、密に豊富に生えており、柔らかい巻き毛になっています。
その特徴的な被毛をカットして綺麗に整えて楽しむこともできますので、そういった形でおしゃれにされているビション・フリーゼを見かけることも多いのではないでしょうか。
毛色は、真っ白な色が正統なビション・フリーゼとなります。
被毛は豊富なビション・フリーゼですが、抜け毛は少なくなっています。ただ、毛が絡むのを防ぐためにブラッシング、清潔に保つためにシャンプー、などのケアは当然ながら必要になってきます。
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