ミニチュア・ブル・テリア は、その名前から想像つけやすい通り、ブルテリアを小型化改良した犬種で、 その原産はイギリスになります。ブルドックをベースに、 ホワイト・イングリッシュ・テリアを交配させて作り出されたようです。
もともとは、闘犬やネズミ狩りなどに使われていました。
ミニチュア・ブル・テリアは、その独特な卵型の頭部とコンパクトな体格から、一見するとコミカルで愛嬌のある犬に映りますが、実際には非常に頭の回転が速く、また強い自我を持つ犬種です。そのため、しつけのしやすさという観点では「初心者向き」とは言い切れず、飼い主の一貫性と忍耐力が重要になります。彼らは人間の感情を敏感に察知する能力に優れており、褒められることに強い喜びを感じる反面、厳しく叱られると頑固さを増してしまうことがあるため、罰ではなく正の強化を中心としたトレーニングが適しています。
まず大切なのは、子犬期からの社会化です。ブル・テリアの血を受け継いでいるため、好奇心旺盛で刺激に対して反応が強く出やすい傾向があります。そのため、他の犬や人、さまざまな環境に小さいうちから慣らしていくことが、将来的に問題行動を防ぐ大きな鍵となります。社会化が不足すると、知らない犬に対して挑発的な態度を見せたり、環境の変化に過敏に反応したりすることがあります。
トレーニングにおいては、短く区切ったセッションを繰り返す方が効果的です。ミニチュア・ブル・テリアは好奇心旺盛で、同じことを長時間繰り返すと飽きて集中力が途切れがちです。1回数分程度の練習を一日に複数回取り入れると、効率的に学習が進みます。また、彼らは自分で考えて行動する力が強いため、単純な服従訓練だけではなく「頭を使う遊び」や「問題解決型のゲーム」などを組み合わせることで、学習意欲を保ちやすくなります。
しつけの過程で特に注意したいのは、「飛びつき」「噛みつき(甘噛み含む)」「引っ張り癖」です。彼らは遊び好きでテンションが上がりやすく、飼い主に飛びつく行動を取りやすい傾向があります。これは成犬になると力が強いため、制御が難しくなります。子犬のうちから落ち着いた行動を褒めるようにし、望ましい行動を習慣化させることが不可欠です。また、口を使って物事を確かめる性質もあるため、甘噛みは放置せず、噛んでよいおもちゃを与えてエネルギーを適切に発散させる工夫が必要です。
さらに、リードウォークのトレーニングも早い段階で始めるべきです。ミニチュア・ブル・テリアは筋肉質で小柄ながらもパワフルなため、引っ張り癖があると散歩が困難になります。落ち着いて歩けた時にしっかり褒め、急に引っ張った場合は立ち止まって進まないなど、一貫した対応が求められます。
全体として、ミニチュア・ブル・テリアのしつけは「難しいがやりがいがある」と言えます。彼らは飼い主との関係性を非常に重視する犬種であり、信頼関係を築ければ高い学習能力を発揮します。反対に、飼い主が一貫性を欠いたり、感情的に叱りつけたりすると、かえって頑固さを増し、望ましくない行動が強化されてしまうこともあります。そのため、しつけを成功させる最大のポイントは「楽しみながら教える」ことです。遊びの延長として学べる環境を整え、できた時には大げさなくらいに褒めてあげると、ミニチュア・ブル・テリアは大いに応えてくれるでしょう。
まとめると、ミニチュア・ブル・テリアは飼い主の態度次第で大きく変わる犬種です。初心者にはやや難易度が高いですが、経験者や根気強く学ぶ意欲のある人にとっては、極めて魅力的で知的なパートナーとなり得ます。愛情と一貫性をもって接することで、彼らは信頼関係に基づいた行動を自然と身につけ、家庭犬として理想的な存在になっていくのです。
ミニチュア・ブル・テリアは、そのユニークな外見に負けないほど独特で魅力的な性格を持つ犬種です。外見からは力強さや頑固さを想像する人も少なくありませんが、実際には非常に遊び好きで愛情深く、人との絆を大切にするタイプです。飼い主と強い関係を築ければ、驚くほど人懐っこく、家族に忠実な伴侶犬となります。ただし、その性格には「明るさ」「頑固さ」「好奇心旺盛さ」が入り混じっており、コントロール次第で良い方向にも悪い方向にも出やすいという特徴があります。
まず注目すべきは、ミニチュア・ブル・テリアの陽気で快活な気質です。基本的には「ピエロのような性格」と形容されることが多く、家族の中で自分が注目されることを楽しみ、周囲を笑顔にさせるような行動をよく取ります。遊び好きでユーモラスな動きを見せるため、子どもとの相性も良い一面があります。ただし、興奮しやすい気質も持ち合わせているため、はしゃぎすぎてしまうと制御が必要になることもあります。
次に挙げられるのは、頑固さと独立心の強さです。ミニチュア・ブル・テリアは自分の意思をしっかり持ち、納得しなければ指示に従わないこともあります。これは知性の高さの裏返しでもあり、自分で物事を判断する能力に長けていると言えます。そのため「人に従う」というより「信頼する飼い主のリーダーシップに応える」という関係性を築くことが重要です。一方的な命令に従わせるのではなく、飼い主との協力関係を意識して接することで、頑固さは次第に柔らかい忠誠心へと変わっていきます。
また、この犬種は好奇心が非常に強く、新しいものや環境に興味を示します。この探究心は、遊びや学習の面では大きなプラスですが、放置するといたずらにつながることもあります。家具を噛んだり、庭を掘ったりする行動は、退屈や刺激不足が原因の場合が多いため、日常的に頭を使う遊びや適度な運動を取り入れることが望まれます。知的好奇心を満たしてあげることで、落ち着きのある家庭犬らしい面が引き出されるのです。
人に対してはとてもフレンドリーですが、ブル・テリア系統の血を引くため、他犬に対しては相性に注意が必要です。もともと闘犬の歴史を持つため、挑発を受けると引かずに応戦してしまう可能性があります。ただし、これは「攻撃的」というより「負けん気が強い」という性質に由来しており、適切に社会化されていれば、多くの犬と問題なく接することも可能です。特に幼少期から他の犬と遊ぶ経験を積み、ポジティブな関わり方を学ばせることが、穏やかな性格を育てる鍵となります。
家族に対しては深い愛情を注ぎ、常に一緒にいたいという気持ちが強い犬種です。留守番が長く続くとストレスを抱えやすく、分離不安の傾向を示す個体もいます。飼い主が不在の時間が多い家庭では、知育玩具や環境の工夫で退屈を避ける必要があります。逆に言えば、家庭の中で多くの時間を共に過ごせる人にとっては、これほど愛情深い伴侶はなかなかいないでしょう。
まとめると、ミニチュア・ブル・テリアは「陽気で明るいが、時に頑固で繊細な心を持つ」犬種です。正しい関わり方をすれば、家庭を笑顔で満たす存在となり、子どもとも良き遊び仲間になれる可能性があります。しかし、その明るさと同時に独立心や好奇心の強さがあるため、制御や工夫が欠けると、いたずらや他犬とのトラブルにつながることもあります。飼い主がこの犬種の性質を理解し、愛情と一貫した態度で接することで、明るく穏やかで忠実なパートナーとしての魅力を最大限に発揮するのです。
ミニチュア・ブル・テリアは、筋肉質で引き締まった体を持ち、小柄ながらもパワフルで丈夫そうに見える犬種です。確かに一般的な外傷や日常的な活動に対する強さは高く、骨格も頑丈で活発に動き回ることに適しています。しかし、見た目の印象とは裏腹に、遺伝的にかかりやすい病気がいくつか存在するため、健康管理には注意が欠かせません。平均寿命はおおよそ11~14年とされており、しっかりとケアをすれば比較的長寿を全うできる犬種です。
まず代表的な疾患として挙げられるのが「膀胱結石」や「尿路疾患」です。ミニチュア・ブル・テリアは尿中の代謝物が結晶化しやすい体質を持つ個体が多く、これが進行すると排尿困難や血尿を引き起こします。放置すると腎臓にまで影響を及ぼすため、早期の対応が不可欠です。日頃から水分を十分に摂らせ、適切な食事管理を行うことが予防の鍵となります。特に高ミネラル食や不適切なおやつの与えすぎはリスクを高めるため注意が必要です。
次に重要なのは「皮膚疾患」です。短毛で被毛が密なため通気性が悪く、アレルギー性皮膚炎や膿皮症を発症しやすい傾向があります。特に湿度の高い環境では皮膚トラブルが増えるため、定期的なシャンプーや清潔な生活環境の維持が大切です。皮膚の赤みやかゆみが見られた場合には早めに動物病院を受診し、悪化を防ぐことが望まれます。また、食物アレルギーを持つ個体も少なくないため、体質に合ったフード選びが重要です。
さらに、遺伝的な問題として「先天性聴覚障害(耳の聴こえにくさ)」が挙げられます。特に白い毛色の個体で発症リスクが高いとされています。これは遺伝的に内耳の発達に異常が出ることで起こるため、繁殖時の配慮が求められる問題です。子犬を迎える際には、ブリーダーが聴覚検査(BAER検査)を行っているか確認することが望ましいです。
眼に関する疾患も注意が必要です。「水晶体脱臼」や「緑内障」など、視覚に影響を及ぼす病気が見られることがあります。これらは放置すると失明に至る可能性もあるため、目の異常(白濁、充血、目を細めるなど)が見られた場合には早期に獣医師の診断を仰ぐことが大切です。
骨格的にはがっしりしていますが、「膝蓋骨脱臼(パテラ)」などの関節疾患も一定の割合で見られます。これは特に若齢期から見られることがあり、ジャンプや急な方向転換を繰り返すことで悪化する場合があります。体重管理と過度な負担を避ける運動習慣が予防につながります。
体の強さという点では、ミニチュア・ブル・テリアは痛みに強い一面を持っています。怪我や体調不良でも表に出さず我慢してしまう個体も少なくないため、飼い主が小さな変化を見逃さない観察力を持つことが重要です。食欲や排泄の変化、行動の異常などを細かく把握し、早めに対応することが寿命を延ばすポイントになります。
平均寿命については、11~14年という数字は小型犬としては標準的、やや短めとも言えますが、近年は適切な食事や医療の進歩により15歳を超える個体も珍しくありません。特に体重管理が寿命に直結しており、肥満は関節疾患や内臓疾患のリスクを高めるため、日頃から食事と運動のバランスに気を配ることが求められます。
まとめると、ミニチュア・ブル・テリアは「頑丈そうに見えて実は繊細な部分も持つ犬種」と言えます。活発でエネルギッシュな毎日を過ごせる一方で、遺伝的な病気や体質的な弱点を抱えやすいため、飼い主の知識と注意深さが健康維持には不可欠です。こまめな健康チェック、適切な食事管理、定期的な動物病院での診察を行うことで、そのパワフルな魅力を長く保ち、健やかな生涯を送ることができるでしょう。
ミニチュア・ブル・テリアは、その明るくユーモラスな性格から家族に強い愛情を示し、人との関わりをとても大切にします。この点では家庭犬として非常に魅力的ですが、同居相手が「子ども」や「他の犬」となると、いくつかの注意点と工夫が必要になります。
まず、子どもとの関係についてです。ミニチュア・ブル・テリアは遊び好きで活動的なため、子どもにとっては良い遊び相手になりやすい犬種です。特に明るい性格が子どもと相性が良く、一緒に走り回ったりボール遊びをしたりすることを好みます。また、家族に対して深い忠誠心を持つため、子どもを家族の一員としてしっかり受け入れ、守ろうとする傾向もあります。ただし、ここで注意したいのは「興奮しやすさ」です。遊んでいるうちにテンションが上がり、体当たりや飛びつきで子どもを転ばせてしまう可能性があります。これは悪意ではなく純粋な遊び心から出る行動ですが、小さな子どもにとっては危険になることもあるため、必ず大人が見守る環境で一緒に遊ばせることが大切です。
また、子ども側にも「犬との接し方」を学ばせることが重要です。ミニチュア・ブル・テリアは愛情深い一方で、乱暴に扱われることを嫌います。耳や尾を引っ張られたり、食事中に邪魔をされたりするとストレスを感じ、場合によっては防衛反応を見せることがあります。子どもには「犬を尊重する接し方」を教え、無理に抱きついたりからかったりしないようにすることで、安全で信頼関係のある関わりが築けます。
次に、他の犬との同居についてです。これはミニチュア・ブル・テリアを飼ううえで特に慎重に考えるべきポイントです。この犬種はブル・テリアの血を引いており、もともと闘犬としての歴史を持つため、他犬に対して競争心や負けん気の強さを示す傾向があります。必ずしも攻撃的というわけではありませんが、挑発を受けた場合に引かず、衝突を避けにくい性質があるのです。そのため、他犬との同居は相性に大きく左右されます。
同居が可能なケースとしては、子犬期から一緒に育てられ、互いを家族と認識している場合や、相手の犬が穏やかで争いを好まない性格である場合が多いです。ただし、成犬になってから新しい犬を迎える場合は慎重な慣らしが必要で、場合によっては同居が難しいこともあります。特に同性同士や同じように活発な犬種との組み合わせでは摩擦が起こりやすいため、注意が必要です。
また、多頭飼育を考える際には「食事」「おもちゃ」「飼い主の注意」を巡って競争が生まれないようにする工夫が求められます。ミニチュア・ブル・テリアは独占欲が強い個体も多く、大好きなおもちゃや飼い主の関心を取られそうになると衝突につながる可能性があります。そのため、物を取り合う状況を作らず、それぞれに十分なリソースを与えることが大切です。
他犬との散歩中の関わりについても注意が必要です。社会化が不足していると、相手の犬に対して強い興奮を示したり、挑発的に見える行動を取ったりすることがあります。子犬の頃から様々な犬と接し、ポジティブな経験を積ませることで、攻撃的ではなく社交的な面を伸ばすことが可能です。
まとめると、ミニチュア・ブル・テリアは子どもにとっては明るく頼もしい遊び相手になれる犬種ですが、興奮のコントロールと安全な遊び方の工夫が欠かせません。また、他犬との同居は個体の性格や社会化の度合いに大きく左右されるため、慎重な判断が必要です。どちらの場合も共通するのは「飼い主の関与」が極めて重要だということです。飼い主がきちんと環境を整え、双方に安心感を与えながら関係を築いていくことで、子どもや他の犬と調和のとれた生活が可能になるのです。
ミニチュア・ブル・テリアは、その筋肉質で引き締まった体格と、明るく活発な性格からも分かるように、非常にエネルギッシュな犬種です。小型犬に分類されるものの、必要とする運動量は決して少なくなく、むしろ中型犬に近いレベルの活動を必要とします。そのため、十分な運動や遊びを確保できる環境でなければ、エネルギーが余って問題行動につながる可能性が高い犬種です。
まず、毎日の散歩は最低でも1日2回、それぞれ30分以上を目安に考える必要があります。単なる排泄目的の散歩ではなく、しっかりと歩かせて体力を発散させることが重要です。歩くだけでなく、速歩や軽いジョギングを取り入れることで、筋肉を使い全身のバランスが整います。ミニチュア・ブル・テリアは体が小さいながらも運動能力が非常に高く、走ることや跳ぶことを楽しむため、日々の散歩にメリハリをつけることが望ましいでしょう。
また、散歩以外にも自由に走れる時間を設けることが理想です。ドッグランや庭など安全なスペースで自由運動をさせると、ストレス発散や社会性の向上にもつながります。ただし、他犬との関係に注意が必要な犬種であるため、ドッグランでは相性を見極めながら利用することが欠かせません。
身体的な運動だけでなく、知的な刺激も非常に重要です。ミニチュア・ブル・テリアは好奇心が強く、自分で考えて行動することを好むため、単なる散歩だけでは満足できないこともあります。知育玩具やトリックトレーニング、問題解決型のゲームなどを取り入れることで、頭を使う遊びと体を使う運動をバランス良く提供することができます。特に「頭を使うことで疲れる」という特性を活かせば、過剰なエネルギーが落ち着き、家庭内でもリラックスして過ごせるようになります。
運動不足になると、家具をかじったり庭を掘り返したりといった破壊行動、あるいは無駄吠えや落ち着きのなさといった行動問題が出やすくなります。これは彼らが本来持つパワフルさと知的好奇心が発散できていないサインです。逆に言えば、しっかりと運動と遊びの時間を確保すれば、家庭内では驚くほど落ち着いた一面を見せてくれる犬種でもあります。
運動においてもう一つの注意点は「暑さへの弱さ」です。ミニチュア・ブル・テリアは短毛であるため被毛による断熱効果が低く、さらに筋肉質な体型のため体温がこもりやすい傾向があります。そのため、真夏の炎天下での運動は熱中症のリスクが非常に高いのです。夏場は早朝や夕方など涼しい時間帯を選び、休憩や水分補給をこまめに取り入れることが不可欠です。
逆に寒さにはある程度耐性がありますが、被毛が短いため冬場の散歩では冷えから体調を崩すこともあります。気温が低い日には防寒着を用意するなど、気候に応じた配慮も必要です。
まとめると、ミニチュア・ブル・テリアの運動量は「小型犬の中ではトップクラス」と言えます。日々の十分な散歩と遊び、加えて知的な刺激を組み合わせることで、心身ともに健全な状態を維持できます。エネルギッシュでパワフルな一面は、しっかりとコントロールすれば家庭を明るく活気づける要素となります。運動を負担ではなく「共に楽しむ時間」と捉えることで、ミニチュア・ブル・テリアは飼い主にとって最高のアクティブパートナーとなるのです。
ミニチュア・ブル・テリアは、その独特な外見によって犬種の世界でもひときわ個性的な存在感を放っています。ブル・テリアを小型化した犬種でありながら、単なる縮小版ではなく、特有のスタイルや雰囲気を持ち合わせています。その体の特徴や被毛、毛色のバリエーションを詳しく見ていくと、この犬種の魅力と成り立ちがより鮮明に理解できるでしょう。
まず目を引くのは、卵型と形容される独特の頭部です。前額のストップ(額と鼻の境目)がほとんどなく、鼻筋がなめらかなアーチを描きながら前方へと伸びる「ダウンフェイス」と呼ばれる特徴的な顔立ちを持ちます。これにより他の犬種には見られないユニークな印象を与え、ブル・テリア系統特有の個性を際立たせています。目は小さく、細長く、三角形に近い形をしており、表情に鋭さと愛嬌が同居しています。耳は小さめで立ち耳が基本であり、顔の形と相まって独特なシルエットを作り出します。
体型はコンパクトながらも非常に筋肉質で、引き締まった印象を与えます。胸は深く、背中は短く力強いため、見た目以上にパワフルな動きを可能にしています。体高は約25〜35センチ、体重はおおよそ11〜15キロ程度とされ、小柄ながら中型犬に迫る迫力を感じさせる体つきをしています。サイズは家庭で飼いやすい範囲に収まっていますが、その体格から繰り出される運動能力は侮れません。
被毛は短く、硬めで光沢があり、手触りはなめらかです。毛が密集しているため水や汚れをある程度弾きますが、換毛期には抜け毛が多くなることがあります。日常的な手入れとしては、ラバーブラシやグローブタイプのブラシで軽く撫でるようにして抜け毛を取り除くのが効果的です。被毛の手入れは比較的簡単な犬種に分類されますが、皮膚が敏感なため清潔さを保つことが重要です。特にアレルギーや皮膚疾患に弱い個体もいるため、シャンプーは低刺激性のものを選ぶのが理想です。
毛色のバリエーションもこの犬種の魅力の一つです。一般的には「ホワイト」と「カラー」に大きく分けられます。
* ホワイトタイプは、純白の被毛が特徴で、頭部に小さな斑点(アイパッチ)が入ることも認められています。清潔感のある印象を与える反面、白毛の個体では先天性聴覚障害のリスクが高い点が知られています。
* カラータイプには、ブリンドル(縞模様)、ブラック、フォーン(淡い黄褐色)、レッド、トライカラー(黒・白・茶の三色)などが存在します。いずれも短毛ながら光沢があり、筋肉質の体に映えるため、美しさと力強さを兼ね備えています。
また、尾は短めで低く付き、真っ直ぐに伸びて先細りとなるのが標準です。歩行時には尾を軽く持ち上げて振るため、元気で快活な印象を与えます。四肢は短く強靭で、特に後肢は推進力を生むためにしっかりとした筋肉が発達しています。これにより、小柄ながら瞬発力やジャンプ力が高く、遊びや運動において驚くほど機敏な動きを見せます。
外見の特徴を総合すると、ミニチュア・ブル・テリアは「ユニークさと力強さの融合」と言えるでしょう。その風貌は一度見たら忘れられないほど個性的でありながら、日々の手入れは比較的容易で、室内犬としても扱いやすい利点を持っています。ただし、皮膚の弱さや白毛の聴覚障害リスクといった特徴に関連する健康問題は、見た目の魅力と同時に理解しておく必要があります。
まとめると、ミニチュア・ブル・テリアの体の特徴は「小柄だが筋肉質」「卵型の独特な顔立ち」「短毛で光沢のある被毛」「豊富な毛色バリエーション」という点に集約されます。外見のインパクトはもちろん、その体つきや被毛は、日常の生活スタイルや健康管理にも深く関わる要素です。これらの特徴を正しく理解し、大切にケアしていくことで、彼らの魅力を最大限に引き出すことができるのです。
ミニチュア・ブル・テリアは、そのユニークな外見と陽気な性格から、日本でも徐々に人気が高まっている犬種ですが、決してポピュラーな犬種とは言えません。ペットショップでの取り扱いは非常に少なく、多くの場合は専門のブリーダーや愛好家のネットワークを通じて迎えることになります。そのため、里親として譲渡を受けるケースや、信頼できるブリーダーから購入するケースのどちらにおいても、十分な情報収集と準備が必要です。
まず、里親制度についてです。ミニチュア・ブル・テリアは他犬種に比べると保護団体に収容される数は少なめですが、ゼロではありません。特に活発でパワフルな性質を持つため、飼い主が運動量やしつけの面で対応できずに手放されてしまうケースが存在します。そのため、動物愛護団体や犬種特化型のレスキュー団体を通じて里親を探すと、タイミングによっては出会える可能性があります。里親で迎える場合は、譲渡条件として「終生飼養の約束」「定期的な報告」「避妊去勢済みであること」などが課されることが多く、責任を持った受け入れが前提となります。
一方で、ブリーダーから迎える場合は、健康面や血統、社会化の状態についてしっかり確認することが重要です。ミニチュア・ブル・テリアは先天性の疾患(聴覚障害、尿路結石、皮膚疾患など)が懸念される犬種のため、繁殖にあたって健康検査を行っているかどうかは大きな判断基準となります。信頼できるブリーダーは、親犬に対してBAER検査(聴覚検査)、健康診断、性格面の評価などを実施し、適切な繁殖管理を行っています。また、子犬期に他犬や人との接触を十分に経験させて社会化しているかどうかも、その後の性格形成に大きな影響を与えるため、事前に環境を見学するのが望ましいです。
値段については、日本におけるミニチュア・ブル・テリアの子犬の価格は一般的に30万円〜60万円程度が相場とされています。希少性が高いため、血統や毛色によってはさらに高額になることもあります。特にショードッグの血を引く良質な血統の個体や、人気の毛色(例えばブリンドルや左右対称の美しい模様を持つもの)は、70万円を超えることも珍しくありません。一方、成犬や繁殖引退犬を譲り受ける場合は、比較的安価であるか、あるいは譲渡費用(医療費や避妊去勢費用程度)のみで迎えられることもあります。
購入や譲渡の費用だけでなく、飼育にかかるランニングコストも考慮する必要があります。ミニチュア・ブル・テリアは中型犬に近い体格を持つため、食費は小型犬よりやや高めです。また、前述のように皮膚や尿路の疾患にかかりやすいため、動物病院での定期的な検査や治療にかかる費用も予算に含めておくべきです。
さらに、里親かブリーダーかに関わらず、「飼い主としての適性」が問われる犬種でもあります。運動量やしつけの必要性を理解し、日々の生活に十分な時間を割ける人でなければ、ミニチュア・ブル・テリアとの生活は難しくなります。反対に、そうした条件を満たし、愛情を持って一貫した関わりを続けられる家庭にとっては、これ以上ないほど愛情深くユーモラスな伴侶犬となってくれるでしょう。
まとめると、ミニチュア・ブル・テリアを迎える方法としては、信頼できるブリーダーから購入するか、里親として譲渡を受けるかの二択が一般的です。どちらにしても、健康面や性格、社会化の状況を確認することが非常に重要であり、値段だけで判断するのは避けるべきです。希少性がある分、価格はやや高額ですが、それに見合うだけの魅力と個性を持つ犬種です。迎え入れる際には、長期的な視点での責任と覚悟を持つことが、彼らと幸せな時間を共有する第一歩となるのです。
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