柴犬は古来から日本で生活してきた日本犬(日本在来犬種)の一種です。
紀元前の代から日本人と一緒に生活してきた犬種で、 大陸から日本へ移住してきた先住民族が連れてきた『パリア犬』という東南アジア原産の犬種が 祖先犬にあたるとも言われています。
また、柴犬は国の天然記念物にも指定されています。
尚、天然記念物に指定されている日本犬は、柴犬の他に、北海道犬・甲斐犬・秋田犬・ 紀州犬・四国犬が存在し、 これらの6種類が日本犬の代表的な種類になります。
柴犬は古来から狩猟犬として活躍しており、主に鳥や小動物の狩りに使われていました。
その中で柴犬は、主人の命令に従い、単独で狩猟をする役目を担っていました。
尚、犬種名の由来は諸説あり、実は現在もはっきりしていません。
柴犬の被毛の種類の中でも圧倒的に多い、 赤みがかかった茶系の被毛色が柴の色に似ていることに由来するという説や、 国内のとある地方の古い方言で「小さい」を意味する『シバ』という言葉からに由来するという説(この場合、「柴」の字は、後からの当て字)、 狩猟犬時代にその素早さから柴の中をくぐって突き進む様子から来ているという説など、様々です。
柴犬は日本原産の犬種の中で最も広く知られており、古くから人々と共に暮らしてきました。そのため人間社会に適応する素地は十分にありますが、実際のしつけのしやすさという観点では、飼い主にとってやや難しいと感じられる場面が少なくありません。柴犬は非常に頭が良く、観察力に優れ、自分で状況を判断しようとする自主性の強い犬です。つまり「人の言うことに盲目的に従う」タイプではなく、「なぜそれをする必要があるのか」を理解できないと納得しない傾向を持っています。これは学習能力の高さの裏返しであると同時に、頑固さとも表現される性質です。
柴犬のしつけにおいて重要なのは、まず一貫性です。家族の誰かが甘やかしてしまうと、柴犬はすぐにその違いを見抜き、「この人には従わなくても大丈夫だ」と判断してしまいます。結果として、指示を無視する、散歩中にリードを強く引っ張る、要求吠えをするなどの行動につながりやすくなります。そのため、家族全員が同じルールを守り、一貫した態度で接することが基本中の基本になります。
さらに、柴犬は縄張り意識が強く、自立心も旺盛です。そのため子犬の頃からしっかりと社会化を行うことが欠かせません。特に他の犬や人間に対して慣れさせることを怠ると、成犬になってから過剰に警戒心を示し、吠えや噛みつきといった問題行動に発展する可能性があります。社会化は生後3か月頃までが最も効果的であり、この時期にさまざまな環境・音・人・犬に触れさせることが将来の落ち着いた振る舞いにつながります。
また、柴犬に対するしつけの大きなポイントは「強制」ではなく「納得させる」ことです。体罰や怒鳴るような叱責は逆効果であり、柴犬の警戒心を強めるだけでなく、信頼関係を損ないます。褒めて育てる、報酬を与える、楽しい経験と結びつけるといったポジティブなアプローチが効果的です。柴犬は誇り高い気質を持っているため、飼い主に認められること自体を喜びと感じます。上手に褒めてあげることで、「次も頑張ろう」という気持ちを引き出せるのです。
加えて、しつけの際には忍耐強さが求められます。柴犬は飽きっぽい一面もあるため、同じトレーニングを長時間続けると集中力を失います。短い時間で区切りをつけ、成功体験を積み重ねることが習得への近道です。例えば「おすわり」や「まて」といった基本的なコマンドでも、1回の練習は数分程度にし、成功したらすぐにご褒美を与えて終わらせることが効果的です。これを繰り返すことで、柴犬は「学ぶことは楽しい」と感じるようになります。
総じて、柴犬のしつけは初心者にとってはやや難易度が高いといえます。しかしその分、きちんとしつけを行い信頼関係を築くことができれば、柴犬は非常に頼もしく、誠実なパートナーになります。飼い主のリーダーシップと愛情をもって向き合うことで、柴犬は本来の賢さと忠実さを発揮し、人と強い絆を結ぶことができます。
柴犬は古くから日本の山野で狩猟犬として活躍してきた背景を持ちます。そのため基本的な性格は、警戒心が強く、用心深く、そして自立心旺盛です。一見すると家庭犬としては落ち着きがなく、頑固で扱いにくいのではないかと思われがちですが、実際には非常にバランスのとれた性格をしています。飼い主に対しては強い忠誠心を示し、愛情深く接する一方で、見知らぬ人や環境には慎重に距離をとる傾向があります。この「内と外をはっきり区別する」性格は、柴犬の魅力のひとつといえるでしょう。
まず、柴犬の性格を語るうえで欠かせないのは「忠実さ」です。飼い主を強く信頼し、一度絆を結べば一生その関係を守り抜くのが柴犬の特徴です。実際、日本では「忠犬ハチ公」と同じように、飼い主を待ち続けたり、遠く離れても帰宅を察知して喜ぶといったエピソードが数多く残されています。ただしこの忠実さは「誰にでも」ではなく、「信頼を寄せた相手にだけ」向けられるものです。そのため初対面の人に対しては愛想よく振る舞うことは少なく、そっけなく見えることがあります。しかし、これは柴犬の冷たさではなく、警戒心と慎重さから来る自然な反応なのです。
次に、気性の面について見てみましょう。柴犬は感情表現が豊かで、嬉しいときは全身で喜びを表し、不満があるときははっきり態度に出します。特に有名なのが「柴犬スマイル」と呼ばれる顔で、飼い主と一緒にいるときや楽しいことがあったときに口角を上げて笑っているような表情を見せます。一方で嫌なことがあると、唸り声を出したり、時には噛もうとしたりすることもあり、その率直さが魅力でもあり、難しさでもあります。
また、柴犬は誇り高い気質を持っています。無理に押さえつけられることを嫌い、自分の意思を貫こうとする場面が少なくありません。これは「頑固」と評される性格の源であり、しつけの難しさにもつながりますが、逆に言えば、自分のルールや飼い主の方針を理解すると、それを強く守り続ける律儀さにつながります。したがって、飼い主が一貫した態度で接すれば、柴犬は安定した性格を発揮してくれるのです。
気性の穏やかさという点については、柴犬は一概に「落ち着いている犬」とは言いにくい面があります。特に若い時期はエネルギッシュで、警戒心も強いため、初対面の犬や人に対して吠えることがあります。しかし成犬になるにつれて落ち着きが増し、信頼できる環境に身を置いていれば、とても穏やかで静かな時間を過ごすことができます。柴犬は無駄吠えが少ない犬種でもあり、普段は静かにしていますが、不審な物音や見知らぬ人に対しては敏感に反応します。つまり、穏やかさと警戒心を併せ持った犬だといえるのです。
さらに、柴犬は独立心が強いため、ベタベタと甘えるタイプの犬ではありません。常に飼い主の後をついて回るよりも、自分の好きな場所でくつろぎつつ、時折飼い主のそばに寄って安心感を得る、といった距離感を好みます。このため「クールでツンデレな性格」と形容されることも多いのですが、その絶妙な距離感が、柴犬を愛する人々にとってはたまらない魅力となっています。
まとめると、柴犬の性格は「忠実」「誇り高い」「警戒心が強い」「自立心旺盛」でありながら、信頼した相手に対しては無償の愛情を注ぐという、非常に奥深いものです。穏やかさは環境や育て方に大きく左右されますが、きちんと社会化を行い、飼い主との信頼関係を築けば、柴犬は落ち着きのある安定した性格を発揮し、家庭に温かさと安心をもたらしてくれる存在となります。
柴犬は日本の風土に根ざして発展してきた犬種であり、他の多くの洋犬と比較すると体が丈夫で環境適応力に優れているといわれます。四季の移り変わりがある日本の気候に適応してきたため、暑さや寒さにもある程度耐えられる体質を持っています。こうした背景から「病気に強い犬種」とされ、実際に他の小型犬や中型犬に比べて健康的に長生きする個体が多い傾向があります。平均寿命は13〜15歳とされ、適切な飼育管理を行えば16歳以上生きるケースも珍しくありません。
ただし、どんなに丈夫な犬種であっても特有のかかりやすい病気や体質上の弱点は存在します。柴犬でよく見られる代表的な病気のひとつが「アトピー性皮膚炎」です。柴犬は被毛が二重構造のダブルコートで、皮膚がややデリケートなため、アレルギー反応を起こしやすい傾向があります。食べ物やハウスダスト、花粉などが原因となり、かゆみや赤み、脱毛などの症状が出ることがあります。このため日常的に皮膚の状態をチェックし、早期に異常を発見することが大切です。
また「膝蓋骨脱臼」や「股関節形成不全」など、関節系の疾患も注意すべき点です。特に柴犬は活発で運動量が多いため、若い時期から足腰に負担がかかりやすく、シニア期に入ると関節炎に悩まされる個体も少なくありません。滑りやすいフローリングの上での生活や、過度なジャンプは関節に負担をかけるため、室内環境の整備や適度な運動管理が予防につながります。
さらに柴犬で特に知られている疾患に「緑内障」があります。これは眼圧が異常に高まることで視神経が障害を受け、最悪の場合は失明に至る病気です。柴犬は遺伝的に緑内障を発症しやすいとされており、中高齢期に発症することが多いです。症状としては目の充血や涙の増加、光を避ける行動などが見られます。進行が早いため、少しでも異常を感じたら早急に動物病院で診察を受けることが重要です。
その他にも「認知症(犬の認知機能不全症候群)」は高齢の柴犬で比較的多く報告されています。夜鳴き、徘徊、飼い主の顔を忘れるなどの症状が見られることがあり、飼い主にとって精神的に大きな負担となることもあります。予防や進行の遅延には、若い頃からの十分な運動、脳を使った遊びやトレーニング、栄養バランスの取れた食事が役立ちます。
柴犬は全体として健康的で長寿な犬種ですが、だからといって油断は禁物です。特に皮膚疾患や眼疾患は柴犬特有のリスクとしてよく知られているため、定期的な健康チェックを欠かさないことが重要です。また肥満も大敵で、食欲旺盛な個体は食べ過ぎによって関節や内臓に負担をかけてしまいます。日々の食事管理、適度な運動、そして年齢に応じたケアを行うことが、柴犬を健康で長生きさせる秘訣です。
まとめると、柴犬は日本原産の犬種として比較的病気や環境に強く、寿命も長めですが、皮膚や目、関節に関する病気には注意が必要です。早期発見・早期治療、そして予防を心がけることで、柴犬は健やかに年齢を重ね、飼い主にとってかけがえのない時間をより長く共有することができるでしょう。
柴犬は日本で最も多く飼われている犬種のひとつであり、家庭犬としての人気が高い一方で、他の犬や子どもとの同居に関しては注意が必要とされる犬種でもあります。元来、柴犬は狩猟犬として自立心を持ち、獲物を追いかけたり縄張りを守ったりする役割を果たしてきました。そのため「自分の領域」を意識する傾向が強く、相手が犬であっても人間であっても、距離感を間違えるとトラブルに発展することがあります。しかし、適切な環境づくりと社会化がなされれば、十分に家庭の一員として調和のとれた関係を築くことが可能です。
まず他の犬との同居についてですが、柴犬は基本的に「一匹狼」的な気質を持っています。自立心が強いため、群れで常に協調して生活するよりも、一匹で落ち着いていることを好む傾向が見られます。そのため、多頭飼いを考える場合は注意が必要です。特に同性同士の柴犬は縄張り意識や優劣争いからケンカになりやすく、深刻なトラブルに発展することもあります。相性が合えば問題なく暮らせるケースもありますが、一般的には他の犬種よりも同居の難易度が高めといえるでしょう。多頭飼育をする際には、子犬期からの計画的な社会化や、犬同士に十分な距離を与えられる住環境が必須です。
ただし、子犬の頃から他犬との交流を積極的に経験させれば、相手を仲間として受け入れることができる個体も少なくありません。特に相手が穏やかで協調性のある犬種であれば、柴犬が安心して共存できる場合があります。重要なのは「最初の出会い方」と「生活のルール作り」です。急に同じ空間で過ごさせるのではなく、徐々に距離を縮め、お互いのペースを尊重させることが成功のポイントです。
次に子どもとの同居についてですが、ここでも柴犬の性格が大きく影響します。柴犬は誇り高く、自分のテリトリーを侵されることを嫌う傾向があります。そのため、無邪気に走り回ったり大声を出したりする小さな子どもに対してストレスを感じる場合があります。特に耳や尻尾を引っ張られる、しつこく抱きつかれるなどの行為は、柴犬にとって大きな負担になりかねません。最悪の場合、防御反応として唸り声を出したり、噛みついてしまうリスクもあります。
しかし、柴犬は本来とても律儀で賢い犬です。子どもを「家族」と認識すれば、その存在を守ろうとする一面も見せます。子どもと柴犬が良好な関係を築くためには、まず大人が間に立ち「犬への接し方」を子どもにしっかりと教えることが欠かせません。無理に抱っこしない、寝ているときや食事中には触らない、嫌がるサインを見逃さない、といった基本的なルールを守ることで、柴犬は安心して子どもと過ごせるようになります。
また、柴犬は人間の感情を敏感に察知する犬種でもあります。家庭内が穏やかであれば、柴犬も落ち着きやすく、子どもと共に静かに過ごすことができます。逆に家庭内が騒がしく不安定だと、柴犬も神経質になり、子どもとの関係がギクシャクすることがあります。したがって、柴犬と子どもが共存するためには、家庭全体の安定した雰囲気が重要です。
総合的に見ると、柴犬は他の犬や子どもとの同居において「相性の見極め」と「環境づくり」が成功の鍵となります。多頭飼いを希望する場合や子どもと一緒に暮らす場合には、しっかりとしたルールと監督体制が不可欠です。柴犬は決して社交的な犬種ではありませんが、正しく導けば誠実で頼もしい家族の一員となり、子どもにとっても「生き物と共に暮らす大切さ」を学ぶ貴重な存在となるでしょう。
柴犬は中型犬の中でも特に運動欲求が強い犬種のひとつです。もともと山野で小動物や鳥を追う猟犬として活躍してきた歴史を持つため、俊敏な動きや持久力に優れ、日常的に十分な運動を必要とします。都会の住宅環境で飼われることも多い現代の柴犬ですが、本来の特性を無視して運動不足の生活を送らせると、心身両面でさまざまな問題が出てきます。そのため、柴犬を飼う際には「どの程度の運動量が必要か」を理解し、日々の生活に取り入れることが非常に重要です。
まず柴犬の基本的な運動量についてですが、1日に最低でも1時間以上の散歩が推奨されます。しかもただ歩くだけではなく、速歩や小走りを取り入れ、時には広場やドッグランで自由に走らせる機会を設けることが理想的です。朝夕の2回に分けて30分ずつ歩く程度では不十分な場合もあり、特に若い柴犬は体力があり余るため、1時間半から2時間程度の運動が必要となることもあります。
柴犬の運動欲求は単なる体力消耗だけでなく、精神的な満足感にも直結しています。十分に走り、探索し、においを嗅ぎ、周囲の環境に触れることで、柴犬は本来の狩猟本能を満たすことができます。これを怠ると、ストレスがたまり、吠え癖や破壊行動、過剰な噛み癖といった問題行動につながりかねません。特に柴犬は自立心が強くエネルギッシュなため、欲求不満を抱えると行動で強く示す傾向があります。
また、柴犬は「瞬発力」と「持久力」の両方を兼ね備えている犬種です。短時間の全力疾走も得意ですが、長時間の散歩や山道でのハイキングにも耐えるスタミナがあります。実際にアウトドアが趣味の飼い主にとって、柴犬は非常に頼もしいパートナーとなります。山登りやキャンプなどでも活発に行動し、自然の中で生き生きとした姿を見せてくれるでしょう。このように、柴犬は日常的な運動だけでなく「一緒に体を動かす楽しみ」を提供してくれる存在でもあります。
ただし注意点として、過度な運動は関節や心臓への負担となるため、年齢や体調に合わせた調整が必要です。子犬の場合は骨や関節が発達途上にあるため、ジャンプや長距離のランニングは避け、無理のない範囲で短時間の散歩を複数回行うのが良いでしょう。一方でシニア犬になると体力が落ちるため、散歩の距離や時間を短くし、ゆったり歩かせることが適切です。ただ「年をとったから運動は不要」と考えるのは間違いで、シニア期でも適度な散歩は健康維持や認知症予防に欠かせません。
さらに柴犬にとって散歩や運動は、単に体を動かすだけでなく「精神的な刺激」としての意味合いも強いです。柴犬は非常に知的な犬種で、環境の変化やにおい、他の犬との出会いなどを通じて多くの情報を取り入れます。したがって、毎日同じコースを歩くだけでは刺激が不足しやすく、興味を失ってしまうことがあります。散歩コースを変える、トレーニングを組み込む、ボール遊びや引っ張り遊びを取り入れるなどの工夫をすることで、柴犬の心身をバランスよく満たすことができます。
総じて、柴犬の運動量は小型犬や室内犬と比べて格段に多く、飼い主には時間的・体力的な負担が求められます。しかし、この運動を一緒に楽しむことこそが、柴犬との暮らしの大きな魅力でもあります。活発な性格を受け止め、適切に発散させることで、柴犬は健康で明るく、飼い主にとってかけがえのないパートナーとなるでしょう。
柴犬は日本原産の小型〜中型犬であり、日本犬独特の凛とした姿と調和のとれた体型を持つ犬種です。その外見は「素朴さ」と「力強さ」が同居しており、世界中で愛される理由のひとつとなっています。まず体格ですが、成犬の体高はオスで約38〜41cm、メスで35〜38cmほどと規定されています。体重はオスが9〜11kg、メスで7〜9kg程度が標準とされ、筋肉質で引き締まった体つきをしています。小柄ながらもバランスがよく、俊敏で機敏な動きを可能にしているのが特徴です。
頭部はやや小ぶりで、額は広く、目はやや三角形で黒く縁取られた瞳を持ち、表情に独特の鋭さと可愛らしさを与えています。耳は立ち耳で、正三角形の形をしており、ピンと前方に向かって立ち上がるのが特徴です。これが柴犬特有の警戒心や集中力を象徴する外見的要素となっています。口吻(マズル)は中くらいの長さで力強く、歯はしっかりとした咬合を持ち、かつての狩猟犬としての役割を感じさせます。尾は巻き尾または差し尾と呼ばれる形で背中の上に丸く巻き上がっており、柴犬らしさを強調するポイントのひとつです。
被毛については、柴犬の特徴を語るうえで欠かせません。柴犬は「ダブルコート」と呼ばれる二重構造の毛を持ち、外側の上毛は硬く直毛で雨風を防ぐ役割を果たし、内側の下毛は柔らかく密生していて保温効果があります。このため、柴犬は寒さに非常に強く、日本の冬を元気に過ごすことができます。一方で換毛期には大量の毛が抜け落ちるため、春と秋には抜け毛のケアが欠かせません。特に春の換毛期には冬毛が一気に抜けるため、毎日のブラッシングが必要になるほどです。
毛色は柴犬の魅力を象徴する要素でもあります。日本犬保存会による公認カラーは「赤」「黒」「胡麻(ごま)」の3種類ですが、白(クリーム)も人気があります。赤は最も一般的で、全体に赤茶色の毛が生えており、柴犬と聞いて多くの人が思い浮かべる色合いです。黒は黒毛に赤や茶の差し色が入り、精悍な印象を与えます。胡麻は赤毛と黒毛が混ざり合った独特の色合いで、個体によって濃淡が大きく異なり、希少性から人気を集めています。白やクリームは正式なスタンダードからは外れることもありますが、柔らかで愛らしい印象を持ち、家庭犬としては非常に人気があります。
さらに柴犬の毛色には「裏白(うらじろ)」と呼ばれる特徴があります。これは、胸、腹部、四肢の内側、頬、尾の裏側などに白い毛が入る模様のことです。裏白は日本犬特有の模様であり、柴犬の外見をより引き締め、バランスの取れた美しさを生み出しています。この裏白があることで、柴犬の表情や体型に明暗のコントラストが生まれ、魅力が一層際立ちます。
体の特徴としては、柴犬は筋肉質で引き締まった体を持ちながらも軽快さを失わない点が大きな魅力です。そのバランスの良さは、山道や不整地を俊敏に駆け回る狩猟犬としての役割に由来しており、現在でも散歩中の動きや反応の速さにその片鱗を見ることができます。
総じて柴犬の体の特徴や被毛、毛色は、自然環境の中で培われた実用的な要素と、家庭犬として愛される美しさが融合したものです。凛とした姿と素朴な魅力、さらに毛色のバリエーションが加わることで、柴犬は「日本を代表する犬種」として世界中の人々を魅了し続けています。
柴犬は日本で最も人気のある犬種のひとつであり、その需要の高さから入手経路もさまざまです。ペットショップやブリーダーからの購入、あるいは保護犬として里親になる方法があります。それぞれに利点と注意点があるため、柴犬を迎えたいと考える際には、しっかりと情報を集め、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
まずブリーダーからの迎え入れについてです。信頼できるブリーダーは、柴犬の健康や性格を考慮しながら計画的に繁殖を行っています。子犬期から母犬や兄弟犬と十分に触れ合わせることで、社会化の基礎を学ばせていることも多く、家庭に迎え入れた後のしつけが比較的スムーズに進みやすいという利点があります。また、遺伝性疾患の有無や血統の確認もできるため、長期的な健康リスクを減らすことができます。ただし、全てのブリーダーが良心的とは限らず、中には利益優先で繁殖を繰り返す業者も存在します。そのため、信頼できるかどうかを見極めることが何より重要であり、実際に犬舎を見学し、犬たちの健康状態や飼育環境を確かめることが推奨されます。
次に、里親として柴犬を迎えるという方法があります。日本では柴犬の人気が高いため、残念ながら飼育放棄や迷子によって保護されるケースも少なくありません。動物愛護センターや保護団体を通じて里親になる場合、成犬やシニア犬を引き取ることが多く、子犬ほどの柔軟さはないものの、すでに基本的なしつけが入っている場合もあります。特に柴犬は頑固さや自立心の強さから、飼育に慣れていない人にとって手に余ることもあるため、安易に手放されてしまう現実があります。そうした犬たちに再び安定した環境を提供するのは社会的にも意義があり、飼い主にとっても深い絆を築ける機会となるでしょう。ただし、保護犬の場合は過去の経験から警戒心が強かったり、特定のトラウマを抱えていたりすることもあります。そのため、時間をかけて信頼関係を築く覚悟が必要です。
値段についてですが、柴犬の子犬をブリーダーやペットショップで購入する場合、相場はおおよそ15万円から30万円前後とされています。血統が優秀で展覧会向けに繁殖された個体や、希少な毛色(胡麻や黒など)の場合は40万円以上になることもあります。一方、里親として迎える場合は基本的に譲渡費用のみで済むことが多く、数万円程度で医療費や予防接種代が含まれるケースが一般的です。ただし「安く迎えられるから」という理由で安易に選ぶのではなく、柴犬という犬種の特性を理解し、終生責任を持てるかどうかをよく考えることが何より重要です。
また、柴犬は飼い始めた後の維持費も考慮しなければなりません。食費やワクチン、フィラリア予防、健康診断などの基本的な費用に加え、皮膚病や眼病といった柴犬特有の病気に備えた医療費も発生します。さらに換毛期の抜け毛対策としてグルーミングや掃除の労力も必要です。こうした現実的な負担を理解したうえで迎えることが、柴犬と幸せに暮らすための条件といえるでしょう。
まとめると、柴犬の入手方法には「信頼できるブリーダーから迎える」「里親として保護犬を引き取る」という二つの大きな選択肢があります。どちらを選ぶにしても大切なのは、犬の健康と幸せを第一に考え、自分が責任を持って世話を続けられるかどうかを見極めることです。柴犬は賢く忠実で、正しく育てればかけがえのない伴侶となってくれます。その出会い方を丁寧に選ぶことが、長い共同生活の第一歩となるのです。
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当サイトにてお手伝いさせて頂いた方の事後レポートになります。
※本文は、寄稿いただいた方の原文を転載しております。
◆ケース概要
・寄稿主さま:迷子犬を探していた飼い主さま
・進捗:無事に解決済み
2021年7月、とあるお宅の大切な子が迷子になり、大変残念な結果となりました。
飼い主様ご家族ににとってこの上なく辛いご経験ですが、日々発生する迷子犬防止の啓蒙になればという思いにより、この手記をハピわん!へ寄稿頂けることになりました。
※本文は飼い主様の原文をハピわん!にて最低限の校正を
.......(続きは以下ボタンから)こんにちは。生後4ヶ月の柴犬(オス)を飼い始めて2ヶ月になる初心者飼い主です。
実は少し気になることがあって投稿させていただきました。うちの子、右耳だけピンと立っているんですが、左耳はずっと垂れたままなんです。最初は両耳とも垂れ耳だったのに、2週間くらい前から片方だけが立ち始めて。
正直、かわいいっちゃかわいいんですけど(笑)、
.......(続きはここをクリック)こんにちは。最近犬好きの友達の間で、柴犬の「ツンデレ」っぷりについて盛り上がる機会が何度かありまして、ふと「これってうちだけ?どこの柴犬もそうなの?」と気になったので投稿させてもらいます。私自身、子供の頃から犬がいる生活だったんですが、柴犬と一緒に過ごすようになってから「こんなに感情表現の緩急が激しいワンちゃんって他にいる?」と毎日驚かされ
.......(続きはここをクリック)最近、ふと気が付いたらうちの柴犬が本棚の下に落ちていた文庫本をかじっていて、思わず「あー!!」と声を上げてしまいました。本だけでなく、机に置きっぱなしにしていたノートも気づいたら端っこがギザギザ……。小さい頃から色々な物をかじる癖はあったのですが、成犬になってもなぜか本やノートにだけ執着することが多い気がして、飼い主としてはちょっと困ってい
.......(続きはここをクリック)赤血球の値が下がり続け、二度目の輸血にの必要が生じました。ドナーのワンちゃんがいらっしゃれば嬉しいです。
体重20キロ前後なので難しいとは思いますが、苦楽を共にしている相棒なので、なんとか頑張って貰いたいです。
ご検討よろしくお願いいたします。
◆詳細-----------
【対象となる犬の希望条件】
・年齢:
こんにちは。柴犬と暮らして早いもので数年、すっかり生活の一部になったお散歩ですが、とくに夕方は一日の中でも楽しみにしている時間です。それでも、最近ふと「夕方のお散歩って、何か気をつけたほうがいいこと、危ないことってあるのかな?」と気になってしまいます。お散歩仲間と会話している中でも、朝や昼とはまた違った“夕方ならではの注意点”がちらほら話題
.......(続きはここをクリック)黒柴の女の子を飼っています。
最近、先輩の赤柴のお姉さんが亡くなってから、部屋で1人になりそうだと寂しそうな顔をしたり、撫でてほしいと鼻を擦り寄せてきたりと、甘えん坊になりました。
1人にならないようにしたり、ヨシヨシとたくさん撫でてあげたりするのですが、
ちょっと撫でることをやめると、ウ〜と鼻にシワを寄せて怒るのです。
時
近畿
大阪府
東大阪市
稲荷山ペットパーク老犬ホーム ドッグランフィールド
ドッグラン広いので、犬が十分に走り回れるので、楽しめるはずです。
貸切ができるようになっていますので、貸切している人がいるそのエリアは入れないですが、
近畿
京都府
船井郡
道の駅 京丹波 味夢の里 ドッグラン
シンプルな普通のドッグランという感じでした。
広さも小型犬にはOKそうですが、他の中型・大型だと物足りないかも。
※迷子札連動キャンペーンに
.......(続きはこちらのページから) 2021/05/06【投稿】首都圏(南関東)
埼玉県
川口市
荒川運動公園 ドッグラン
週末はけっこうにぎわっている印象です。
けっこう基本的なというか、シンプルなドッグランだと思いますが、広いし無料なので満足してたまに利用しています。
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